HoI4 開発者日記 第221回 ユーゴスラビアとルーマニア 2020/9/30

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更新情報

Hearts of Iron IV 開発者日記 第221回目を紹介。

今回はDeath or Dishonor DLC 保有者向けに内容が更新されるユーゴスラビアとルーマニアについての紹介です。

https://forum.paradoxplaza.com/forum/threads/hoi4-dev-diary-yugoslavia-and-romania.1428578/
以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2020年9月30日分(第221回)

今回の日記担当はHoI4 コンテンツデザインのMeka66さんとプロデューサーのVashさんです。

冒頭のあいさつ

こんにちは、1.10 Collieパッチに関する新しい開発者日記へようこそ!

今日はDeath or Dishonor拡張DLCの所有者向けに新しいコンテンツを追加するパッチ、それに付属するいくつかのコンテンツに焦点を当てます。
以下のすべてはDeath or Dishonorの所有者がアクセスでき、(新発売となる)Battle for the Bosporus DLCを購入してもアンロックはされません。
Steamストアでリークされたスクリーンショットからすでにこの事について知っている人もいるかもしれませんが、ユーゴスラビアに対してDeath or Dishonorの所有者向けにパッチが無料で提供されます。

ユーゴスラビアの更新

私が最初にフルタイムでこのプロジェクトに参加したとき、Death or Dishonorの内容についてコミュニティからよく寄せられる苦情のリストをもらいました。

これらの問題のほとんどは取るに足らないものでしたが、ユーゴについての内容ほど長い苦情リストはなかったので、一連の目立たない修正をまとめるのではなくユーゴスラビアのツリーを部分的に手直しするのが最善だと思われました。

しかし、これはこれまで行ったような大規模なリワークの規模には及びません。
変更の最初の草案になるものは、私の自由時間の中で私が取り組んだものとして始まったので、私は改修の範囲を低く抑え既存のBftB()コンテンツの上に余分な作業を作りすぎないようにしつつも、プレイヤーに歴史とif歴史の両方を探索するためのより多くのオプションを与えるようユーゴスラビアのツリーの全体的な品質を向上させたいと考えました。

原文でもBftBと書いてあるのですが、これが何の略語なのかは分かりませんでした。

まず、少し変化した共産主義を中心に見てみましょう。
ユーゴスラビアは長い間、ブルガリアやアルバニアなどの国々から独立して独自の派閥を作ることができましたが、これらの国々が通常のやり方で共産主義者になる可能性は非常に低いものでした。
今ではユーゴスラビアは、ブルガリアとアルバニアの双方で起きている農民蜂起を着実に支援する一連の決定へのアクセスを手に入れ、彼らを汎スラヴ労働者会議に参加させる実行可能な方法を生み出しました。

それが完了するとユーゴスラビアは、彼らの派閥が汎バルカン労働者会議に再編されることで新たなフォーカスへのアクセスを得るでしょう。
ルーマニア、トルコ、ギリシャ、そしてハンガリーはいずれも農民蜂起の格好の標的となっており、もしバルカン諸国が紫色に染まるのを見たいと思ったならティトー(大統領)がそれを行うためのあらゆる手段を今や手にしているのです。

次に、古い君主制主義者のフォーカスと、あなたが下した決断がどれだけ客観的に1つの良い決断であり1つの悪い決断だったかを見ていきましょう。
私がユーゴスラビアについて本当に気に入っているのは、プレイヤーがいつもこの種のはしご型のツリーデザインに従って、選択する全てのフォーカスで常に決定を下しているという点でしたが、新しいツリーではそれを一歩進め、もっと意味のある複雑な選択にしたいと思いました。

ユーゴのフォーカス・ツリーのまさに最初の段階では、ユーゴは 「進化」 か 「限定的自治」 のどちらかを追求する選択肢を持っています。
進化というスタイルは基本的に旧ユーゴスラビア式のデザインであり、このツリーではプレイヤーは自分の国のナショナリズムを思い通りの方法で踏み出せるものへとなっています。

第一に、「Banate of Croatia」を設立することは、もはやクロアチアを傀儡化することはなく、その代わりにユーゴスラビアにクロアチア野党の一時的な柔軟路線を与えることになります。一方でウスターゼ粉砕を選択することは、改修後ははるかに複雑なプロセスとなりクロアチアのナショナリズムを完全に排除する結果となります。
ウスターゼ粉砕は、2つのミッションに関連した一連の決定です。
一つの任務は、ウスターゼを独立戦争で蜂起させ、もう一つの任務は平和的に彼らを鎮圧します。
プレイヤーは、反乱を遅らせるかウスターゼの平和的な除去を加速させるかの多くの決定へとアクセスすることができ、ナショナリズムを根絶しつつもユーゴスラビアを一つにまとめておくには多くの細心の注意が必要となります。

次の二つのフォーカスについては、ユーゴスラビアはイタリアとブルガリアに対して宥和的であると同時に彼らの問題のいくつかを永久に取り除くという選択を持っています。
古いフォーカスだといつものようにうまくやってくれるだけの状態でしたが、現在では得られる否定的な精神は数年しか続きません。しかし今ではこれらの権力者に領土を与えることで否定的な精神を完全に除去しつつも意見を大幅に増加させることができます。

今こそ、再建されたユーゴスラビア国家を持ち出す絶好の機会です!
この国家再建の目的は解放可能地域と歴史的占領地域のために、近代的なバルカン諸国の国境を円滑にすることでした。

しかしユーゴスラビアは、連合を維持するためのすべての作業を行う代わりに、その構成国に自治権を与えることを選択することができ、セルビア以外の適切な領土のすべてを失う代償として、負の精神を永久に取り除くことができます。
この道のりの中で、ユーゴスラビアは、クロアチアの2つのバノヴィナを個別に独立させるべきか、それとも1つに統合すべきか、自分自身をどのように分割したいかを正確に選択することができるようになります。
争点となっているバノヴィナの領土は、ハンガリー人に対抗するために要塞化すべきなのか、宥和のためにハンガリー人に譲るべきなのか、それとも自治権を与えるべきなのか。
ここでのはしご型のツリーデザインは、戦略的な決定というよりもバルカン半島をどれだけ混沌としたものにしたいかの選択となります。
個人的にはピーク・バルカンを達成し、全員に自治権を与えることを楽しみにしています。

一度解体されれば、ユーゴスラビアはその構成部分の再統合を試みることもできるし、バルカン諸国に完全な独立を与えることもでき、ユーゴスラビアの代わりに、バルカン諸国のそれぞれの間で共有されている多数の自由軍の数によって支援された軍事同盟へとユーゴスラビアを置き換えることができます。
独立への道をたどっていくと、バルカン諸国はユーゴスラビアがゲームスタート時に保有している軍隊の数の2倍以上の人数を抱えていますから、自分自身をばらばらにすることは、枢軸が自分にまとわりついている状況下においてはそれほど悪い決断ではないのかもしれません。

ポール王子はもはや旧ユーゴスラビアの設計にあった白紙状態ではなく、彼を権力の座に留めようとすることは枢軸国との同盟を試みることを意味します。
これまでと同様、イギリスもユーゴスラビア軍も枢軸同盟に強く反対しており、その試みはクーデターにつながる可能性があります。

しかし、もしクーデターが失敗しポールが権力の座にとどまった場合、正統な後継者の王位継承権を拒否した後の摂関政治はほとんど摂政政治にはならないでしょうから、ユーゴスラビアの暗い将来を導くためには、恐らく新しい王が必要となるでしょう…。

連合軍に参加するには、西側の友人との距離だけでなくさまざまな困難が伴います。
ペータル王は1936年にはまだ12歳にすぎませんが、摂政政治をあまりにも早く終わらせようとすると、君主の座に就く準備がほとんどできていない君主を背負わされることになります。

しかし数年後、ペータル王はユーゴスラビアの正統な王位継承者に成長し、「連合国」以外の国と結婚するかもしれません。

ロイヤルウェディングのフォーカスは、ペータル王がヨーロッパの多くの主要な女王と結婚することを可能にし、現在の世界の状況に基づいて動的に適応することができます。
皇帝が戻ってきた場合、ユーゴスラビアはドイツの王女と結婚することができるようになり、同様にカーリストがスペイン内戦に勝つとスペインの王女と結婚することになるかもしれません。
それらの選択は、フォーカス「英国同盟」の結果を知らせることになるでしょう。
それはユーゴスラビアを、ギリシャのアレクサンドラ王女との結婚によって、連合国への歴史的なユーゴスラビアの参入をもたらすことになる派閥へと導くことになります。

ルーマニアの更新

しかし、新たなコンテンツを入手しているのはユーゴスラビアだけではありません。ルーマニアは、政府のクーデター後の決定によって、戦争の途中で立場を変えることができるようになります。

それに加えて、Divide Yugoslaviaのフォーカスは、今やルーマニアを自分たちの陣営に招くことを選んだ国々からの入札と要求のゲームとなります。
SCWの駐屯地と同様に1つのユーゴスラビア国家に対する入札は、それぞれの国が最高3回まで行うことができ、その後支配者として拘束されます。
ルーマニアは、各州の権利が主張された場合その権利を行使しユーゴスラビアに対して要求を出すことができます。
これはいくつかの…興味深い外観のバルカンにつながることができます。

ルーマニアにはもっと多くの変化があるのですが、その説明を私たちのプロデューサーへと引き渡します。

こんにちはVashです。
ルーマニアのために私が変更したことをお伝えします。
2月、私たちのフォーラムメンバーの一人であるZeprion氏が、残念ながら私たちがルーマニアに対してLa  Resistance DLCでの実装が間に合わなかったことをいくつか提案しました。
それらのリストを完全に盛り込むことは出来ませんでしたが、私はいくつかの変更を加えることができました。

以前とは1936年での政党と指導者が入れ替わったことに気付いたかもしれません。
歴史的に1936年の与党は、国民投票によるGheorghe Tătărescu(ゲオルゲ・タタレスク)をリーダーとする民主党でした。
Armand Calimanescu(アルマンド・カリネスク)もまた、非同盟FRNのリーダーではありましたがこの問題は修正され、両者は正しい政党所属となっています。
これはまた、ルーマニアが非同盟ではなく民主的であるとして1936年に始まることを意味します。
また、この変更を考慮してバックエンドでのバランス調整も行っています。

続いて、ファシストの元祖を、ナショナル・クリスチャン・パーティー(キリスト教国民党)のリーダーだったOctavian Goga(オクタヴィアン・ゴガ)に交代しました。
ということは、私たちはファシズムの最初の政党をPNCに変えたということです。

これはプレイヤーにとって何を意味するかというと、アイアンガードのフォーカスを取ると、Ion Antonescu(イオン・アントネスク)がファシスト党の党首になり、党はPNCからGarda de Fier(ガルダ・デ・フィアー:鉄衛団)に改名されるということです。

Zeprion氏が提案したもう一つの重要な歴史的事実は、ミハイ王(ミハイ1世)のクーデターが彼の父親に反対したのではなく、ファシストの鉄衛団に反対したということです。
私たちはこの焦点をファシストのツリーの下に移しました。

これにより、プレイヤーは3つのオプションから選択できるようになります。
クーデターを起こしてミハイ1世を立憲君主制下の民主党の党首に任命するか、カロル国王(カロル2世)の退位を強要して最も人気のある政党の党首と交代させるか、あるいは、カロル国王がより良い方向に方針を変えたため、国王を操って政権を維持するかのいずれかです。

また、ブコヴィナ、ベッサラビア、トランシルヴァニアなど戦争が始まる前に放棄していた州にインフラボーナスを与えないようにするためにいくつかの建物の優先順位を更新しました。

最後に、Constantin Sanatescu(コンスタンチン・サナテスク)を少しアップグレードしました!
これまでは防御ボーナス付きの陸軍幕僚長としてしか使えませんでしたが、今では将軍としても使えます。

今のところ、ルーマニアの変化は以上となります
Zeprion氏からのフィードバックに感謝します。
今週の開発者日記を楽しんでいただけたことと思います。


以上


あわせて、HoI4開発陣を統括するpodcatさんから開発者日記の直後に少し補足コメントがありましたので紹介します。

ツイッターで聞かれたので、もう一度はっきりさせておきます。
このコンテンツはBFTBを必要とせず、Death or Dishonorを要します。

振り返り感想

4週連続で膨大な量の開発者日記でした…。
いったいいつになったら落ち着いてくれるのか…💦

今回の内容はすでに発売されているDeath or Dishonor DLCの内容を修正するものとなります。

私が一番興味深いのは、HoI4はすでに発売済みのDLCを補強するんだなぁということ。

同じパラドックス社のStellarisは、以前、有料販売しているDLCの中身の一部を引っこ抜いて全ユーザーに無償提供化したことがあり、すでに購入していた人たちから不満の声が上がったことがあります。

その際に、既存のDLC購入者の補填としてDLCの内容を強化すべきという意見がユーザーから出たのですが、Stellaris開発陣の答えは「すでに発売済みのDLCを強化することは無い」というものでした。
この点、HoI4開発陣はスタンスが違うみたいですね。

もっとも今回の日記を読むとユーゴはともかく、ルーマニアに関してゃ歴史的な事実と内容が大きく異なっている点もあるのでそれを放置するわけにもいかなかったということもあるのかもしれません。

ともかくすでに販売済みのDLCでも無料で修正・強化されるのは購入者にとっても嬉しいこと。
今後もどんどんやってほしいですね。