Hearts of Iron IV 開発者日記 第186回目を紹介。
今回は新しく刷新・テコ入れされる、フランスについてのお話です。
内容を紹介してみたいと思います。
[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]
Hearts of Iron IV 開発者日記 2019年8月28日分(第186回)
冒頭のあいさつ
ボンジュール!
今日は、フランスのフォーカスツリー(国家方針ツリー)の今後の改訂について話します。
開発の現時点では、すべてのビジュアル面が仕上がっているわけではないため、(日記内で)表示される画像の一部はまだ進行中のものです。
新しくなるフランスを3週に渡って紹介予定
現在ゲーム内にあるフランスのフォーカスツリーは、残っているバニラ状態のツリーの中において、おそらく最悪のものではないだろうということを十分に認識しています。
ですが、フランスを作り直すことで今後のDLCに含まれるいくつかの新機能をより良く統合できるとも考えています。
そのため「the French Experience」を3週間に分割して紹介することにしました。
今日の日記ではベースとなるフォーカスツリーの範囲をカバーし、来週はレジスタンスと占領システムの仕組みについて調べ、2週間後には自由フランスとヴィシー・フランスについて見ていきます。
フランスの国家方針ツリーの改定
基本的にフランスのフォーカスツリーは優れているものの、少し改善したいと考えていました。
具体的には1941年頃に生き残ったフランスについてはフォーカスが完全に外れているため、新しいフォーカスツリーをより深みあるものにする必要があります。
さらにこの期間にフランスの政策決定に影響を与えた多くの問題をより正確に表現し、プレイヤーが後世にとって悩ましくなるような決断を取り入れたいと思いました(“短期的な解決策は長期的な問題を引き起こす”)。
我々はまた、ヴィシー政権とド・ゴール政権下のフランス軍との間に存在した異常な状況を適切に表現したかったのですが、それらに関して用意しているものをお見せするにはもう少し時間がかかります。
現在、ゲーム内にあるフランスのツリーは非公式に存在するフォーカスツリーの設計哲学となったものをかなりよく表しています。
―つまり産業、軍隊、政治および代替イデオロギーのために別々のツリーを設けてある。
そのため基本的な構造としてはまだ見慣れた形状のままであるはずです。
産業・政治・内戦
産業部門は、控えめに見てももかなり賢明と思われるシステムによって拡大されました。
「Invest in…」のフォーカスはその地域の多くの州にスロットを作ることを可能にし、その後のフォーカスは以前投資が行われた各州に工場を追加することになります。
つまり植民地、民需、軍事産業に焦点を当てるトリガーを引くのを待てば待つほど、見返りは大きくなりますが、それらはゲームの後半になります。
投資のフォーカスをすべて合わせると、たった3つのフォーカスで18もの民需工場と14もの軍事工場を得ることができます(この数字は絶対に、100%、最終的なものであり、いかなる理由でも変更されることはありません)。
政治分野では、完全に機能する安定性と第三国の内政を代表するために十分に機能する戦争支援システムが既にあるので、フランスに完全に新しいゲームプレイメカニックを導入しないことにしました。
つまり簡単に言えば、戦争支援を下げることで安定性を上げることと、安定性を下げることで戦争支援を上げることとの間の細いラインを渡る必要があります。
安定性が長期間25%を下回ると内戦が勃発します。
さらに悪いことに、右派と左派にとって反対する決定をとれば、それらのグループが怒りに駆られて路上に溢れ出してしまい、安定性がさらに低下する可能性があります。
これらのグループは禁止することができます―しかし相対的な人気に応じて安定性のペナルティがあり、回復するのは難しいかもしれません。
内戦の脅威は、他の国との戦争へ向かうと取り除かれ、70%を超える安定性が得られると政治的な暴動は停止しますが、原因を取り除くための政治的措置を講じることなく安定性が50%を下回ると元に戻ります。
そしてそれだけでは不十分で、フランスは人材に関するかなり重大な問題に苦しんでいます。
第一次世界大戦の厳しい損失は、人口統計学的な影響をもたらしましたーつまりフランス人の数が少なくなることは、生まれる子供の数が少なくなることを意味します。
これは、動員可能な人口要因を減らす国民精神によって表されます。
労働者を彼らの作業台から引き離せば深刻な生産上のペナルティを引き起こすため、採用(動員)法を単に引き上げても、プレイヤーを救うことはできません。
この問題に対処する方法はさまざまですが、市民権の拡大や移民の奨励といったものは誰もが歓迎するものではないかもしれません(ゲームのタイムスパンを考えると、新しい家族ポリシーによって不足を補うことはできないことを意味します)。
良いニュースとしてはこれらの要因のバランスをとるために、フランスにはやや大きな産業基盤があります。
新しい外交のツリー支部では、各国を小協商に招待するだけでなく、その国に投資して軍事工場を与え、その後英国と英連邦をあなたの派閥に招待することもできます。
また、ソビエトとの間で保証を交換したり、イタリアと共通の派閥を形成しようとすることもできます。
いわゆるストレーザ戦線はすでに1936年において大部分が終わっていました。これはイタリアとエチオピアの国境線に関するイギリス、フランス、イタリアの意見の相違によるものでした(イタリアが存在すべきではないと考えていたからです)。
その同盟を復活させるためには、多少の譲歩をして、領土の一部をイタリアに譲る必要があります。
英国を説得して支持してくれれば、イタリアも参加する可能性が高くなります。
すべてのイデオロギーにはスペイン内戦に介入するオプションがありますが、このような歴史的に議論のあるトピックから予期されるように安定性のペナルティがあり、最悪の場合あなた(フランス)自身が内戦に巻き込まれかねません。
仮想歴史ルート
歴史的な流れを知っているからという理由で歴史に沿って正確なフランスを体験したくない場合に向けて、仮想(if)歴史のフォーカスツリーに大幅に深みあるものにしました。
レオン・ブルムの下での民衆戦線の形成から始めて、共産主義者を政府に招待することを選択できます(単に共産主義にフランスを容認させるのではありません)。
そこから、女性の法的な平等、経済の中央集権化、プロパガンダなど、共産主義のアジェンダをさらに実行し、避けられない革命(結局のところ”フランス”に戻ってきます)に備えて人口を準備します。
より穏健な勢力との暫定的な同盟関係を実質的に破棄し問題を押しつけた後、共産主義者として直接権力を握ります。
革命後は、基本的に3つの選択肢があります。
革命の勢いを取り戻し、ファシズムと戦うための広範なアプローチを追求するため他の国々と和解しようとすることもできるし、必要な手段を用いて革命を拡大しようとすることもできます。
このツリーの内容の一部は、まだ完成していない新しい機構に組み込まれています。
反対のルートでは1936年の議会選挙でより保守的なアプローチを選択して、ピエール・ラヴァルをフランス首相にすることができます。
民衆戦線と同じように民主主義を維持しより市場自由なアプローチで国を改革するか、極右層と同盟を結んで共和党政府を倒し「国民再生」を開始することができます。
これはヴィシー政府が試みたより過激な民族革命のバージョンです。
嫌いな共和制が廃止されたら2つの主要なツリーから選択を行えます。
1つはフランソワ・ド・ラロックの下で、スペイン、ポルトガル、イタリアとラテン語の小協商を形成し、後にアフリカを支配地域に分割し、フランスが西の大部分を占領し、イタリアが大陸の東を占領するようにします。
ド・ラロックは独裁的なフランスのより独立したバージョンを表現しています(彼が真のファシストであったかどうかは論争の的になっていて確かに議論が必要ですが、彼は他のファシストが持っていたような軍事的背景と権威主義的な考え方を持っていると考えています)。
もう一方のツリー支部はジャック・ドリオが率いており、ファシストのドイツとの理解を深める必要があります。
低地の国々を分割統治することを手土産に枢軸に参加することに同意すれば、ベルギーに圧力をかけることができます。
ワロンを解放するかベルギー全体をあなたの傀儡にすることができます。
これらが完了すると、傀儡国は主人のすぐ隣に植民地領を持てないことを彼らに思い出させます。
さらに北アフリカで第二戦線を開くことで、ほとんどの場合においてドイツの戦略に同調することになるでしょう。
最後のルートとして君主主義があります。
当時のフランスの君主制は政治的極右と密接に関連していました(反共和党員であるため、君主制の考えを論理的な結集点にした)ので、彼らに関する内容がフォーカスツリーからスピンオフすることは理にかなっていると言えるでしょう。
このツリーの背後にある考え方としては、絶えず低い安定性(最初のフォーカスをとるには政治安定度が35%未満でなければならない)に代表される、共和国の継続的な政治的混乱が人々を幻滅させ、君主が提供する安定したリーダーシップという本来の姿に戻る時が来たということにあります。
したがってすぐに王を選ぶのではなく、まず亡命法(王位継承者やその後継者がフランスの地に足を踏み入れることを禁止した)を廃止し、君主制に戻るための基盤を作り、それから三人の候補者のうちの一人を選びます。
オルレアン派の候補者はおそらく最も穏健な主張者であり、主に立憲君主制の方針に沿って統治しました。
そのため、あなたは社会福祉とファシズムに重点を置きますーつまり皮肉なことに、最初に取る行動の1つは反動主義のフランス人に、彼らが目的を果たしもはや必要ないことを知らせることになります。
一方、ボナパルティスト候補者は、ヨーロッパの国境を入れ替え、家柄を復活させるという野心的なプログラムを持っています。
両者の中間には正統派がいます。正統派は1830年にオルレアン派から分裂した派閥であり、オルレアン派の後継者は実際には王座の正統性はないと主張しています。
正当主義者によれば、多数の王朝に起こった出来事を通じるとフランスの王位に対する正当な後継者は、以前退陣させられたスペイン王に他ならないことになります。
そのため、明白な目標としてはフランスとスペインの両方の王冠をスペイン王に回復させ、潜在的にフランスとスペインの2つの領域を二重君主制に統合することです(つまりオーストリア-ハンガリーとデンマーク-ノルウェーでうまくいったやり方)。
現在のフランスのフォーカス・ツリーにはすでに(短い)代替イデオロギーのツリーがいくつかあるので、これらの古いツリーはDLCがなくても存在しそれぞれ「Invite Communist Ministers(共産党閣僚の招待)」と「Utilize the Leagues(リーグの活用)」で始まるツリーを置き換えます。
企業
最後に、フランスがデザイン会社の完全なラインナップと海軍デザイナーの面でいくつかのオプションを持っていることを確認しましょう。
これが本日の全てです。
来週はVer 1.8に伴うレジスタンスと占領システムの再構築についてお話します!
以上
振り返り感想
久々の本格的な日記、しかもかなりの長文、そして歴史的な細かいことが盛りだくさんで記事を作るのが遅くなってしまいました。
一部原文には、フランス史に沿ったと思われる慣用的な表現がありましたが、理解できなかったので飛ばしてあります(主に本文の括弧書きの部分)。
来週は新フランス3回シリーズのうちの第2回目です。
HoI4 開発者日記 第186回 2019年8月28日分は以上となります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。