Hearts of Iron IV 開発者日記 第233回目を紹介。
今回は先週に引き続きバルト諸国のフォーカスツリーの内容です。
[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]
Hearts of Iron IV 開発者日記 2021年5月19日分(第233回)
冒頭の挨拶
こんにちは。Barbarossaパッチに関する新たな開発者日記へようこそ!
今日はバルト諸国の固有ツリー支部に飛び込みます。
まずは先週紹介しきれなかった国家の再構築について紹介したいと思います!
それではどうぞ。新しいバルト三国の…州です。
エストニア
エストニアから始めます。私たちは2つの出発点を持っています:国家ラリーまたは沈黙の時代です。
歴史的に見れば、沈黙の時代はエストニアの歴史の中で、コンスタンティン・パッツがファシストによるヴァプス運動を恐れてエストニアのすべての選挙を中止した時代です。
管理人注
本文中のVaps Movementについては「ヴァプス運動」としました。
詳細について興味のある方はWikipedia等を御覧ください。
このルートを進んでいくうちにヴァプス運動は徐々に動揺していき、プレイヤーは一連のフォーカスと決断を使い国が内戦に分裂するのを防がなければなりません。Vapsについて処理されると、パッツは来るべき戦争に備えて国家の準備を整えます。
銀行家あり経済学者でもあるパッツはエストニア経済と国内の安定に関する強力なボーナスを手に入れることができます。
彼の独裁政権はファシストと共産主義者の恐怖によって支えられていたので、エストニアのプレイヤーが彼らの国の民主主義を回復することを望むならば、両方の脅威を無意味なものにしなければなりません。
しかし、共産主義とファシズムだけでなく民主的な支持を得ることでも独裁を維持することができます。
「Rally the Nation」では、プレイヤーはVapsを操作して英国におけるファシストの行進によく似た一連の決定を行います。
それによりVapsは自分たちの運動に対する国民の支持を集め、政府を打倒しなければなりません。
これはタリンへの行進と内戦による政権奪取でクライマックスを迎えます。
ここからは軍隊を強化し戦争に備えた国家を準備するための時間との戦いとなります。
退役軍人を中心とした運動であるVapsは、いくつかの強力な軍事ボーナスと無料の部隊を利用する事ができます。
それに加えて、Vapsはフィンランドの極右退役軍人会と密接な関係を持っており、エストニアを制圧した後はフィンランド国内で行進を行い、フィンランド人が自国で同じことを行うのを公式に支援する用意があります。
そうなると、エストニアは自らのアイデンティティがどこにあるのかという岐路に立たされます。
北欧のアイデンティティに寄り添って北欧諸国を征服するか、あるいはフィン・ウゴルのアイデンティティに寄り添ってロシアとの戦争に備えるかもしれません。
エストニアが北欧を制覇して 「Estonia is Scandinavia(エストニアはスカンジナビア)」 という目標を達成すれば、Waking the Tiger DLCで示された旧ノルディックリーグの決定へとアクセスできるようになります。
しかし、ウゴル・アイデンティティに傾倒すれば、エストニアは北欧やロシアに住むフィン・アイデンティティから新しくFinno-Ugra(フィン・ウグラ)帝国を形成することができます。
ラトビア
次はラトビアの政治的な注目点です。
まず、カールリス・ウルマニスによるラトビア憲法の停止という歴史的な決定があります。
フォーカスツリーは、軍事政府と民間政府に分割されます。
これらの政府は、選択によって1つに統合される場合とされない場合があります。
歴史的にはウルマニスはラトビアの元帥を首相に任命し、農民党のクヴィエシスの後任としました。
それを選択すればプレイヤーはラトビアの軍事産業を大幅に改善することができます。
バローディス元帥はラトビアで非常に影響力を持つようになったので、多くの人が国家はウルマニスとバローディスの間で二元的に成り立っていると信じていましたが、実際にはそうではありませんでした。
しかしプレイヤーはこの認識を現実のものとし、ウルマニスの支配を維持するのではなく、ラトビアの独裁者としてバローディスを擁立することができます。
バローディスを首相に任命する代わりに、ウルマニスはクヴィエスィス首相に据え、旧サエイマ(管理人注:ラトビアの立法府のことらしいです)のメンバーに対しよりオープンな態度をとり、民間経済にボーナスを与えることを選択するかもしれません。
バローディスのツリー支部と同様に、ここでウルマニスは公選制を復活させてフリクシス・メンダーに力を与えるか、農民党を自分の党に統合して独裁体制を強化するかのどちらかになります。
次にラトビアの軍事的側面に移ります。
ラトビアはファシストのサンダークロス(雷十字:らいじゅうじ)運動を抑圧するか、彼らと協力するかのどちらかを選ぶ事ができます。
それらを抑圧することで、ラトビアはAizsargi(アイザルギ?)のような準軍事組織や政府と連携した組織に力を与えることができ、最終的には女性のアイザルギへの参加も可能になります。
エストニアとは異なり、ラトビアはファシスト集団であるPērkonkrusts(雷十字党)に政府を乗っ取られることなく彼らを味方に引き入れることができます。
しかし雷十字党が急激に力をつけすぎるとラトビアは内戦に突入してしまうので慎重に協力していく必要があり、この点は微妙なバランス感覚が必要です。
プレイヤーが雷十字党を長く抑えることができれば「Anti-German Propaganda(反ドイツプロパガンダ)」のフォーカスを完了し、ボーナスを利用しながら雷十字党をなだめることができます。
しかしラトビアは雷十字党がウルマニスの政府を制圧し平和的に国を乗っ取ることで、バルト地方の征服に役立つ強力なフォーカスを解除することも可能です。
その上、グスタフ・セルミンスはキリスト教を弱い異国の宗教と見なし、代わりにディエヴトゥリーバによるネオペイガニズムの新宗教がラトビアの国教として採用するべきだと表明しました。
プレイヤーが反ドイツを目指す場合、ファシストのフォーカス支部を下に進むにつれて、ディエヴトゥリーバの国民精神がアップグレードされ、最終的にラトビアに非常に強力な恩恵をもたらします。
しかし親ドイツ寄りになれば、ラトビアはRK-Ostland(オストラント帝国委員管区)のような役割を果たし、バルト諸国やベラルーシを占領して主であるドイツに仕えることになります。
リトアニア
最後にリトアニアのナショナルフォーカスツリーですが、ラトビアと同様にほとんどのものが相互に繋がっています。
ラトビアと同様、スメトナは歴史的にそうであったように軍事首相を任命するのか、それとも聖職者から政治家に転身したウラダス・ミロナスを任命するのかを選ぶことができます。
どちらを選んだとしても、リトアニアは大統領職を強化し大統領を政党政治から引き離すというスメトナの野望を実現しなければなりません。
これはリトアニアのプレイヤーにとって、政党の人気が国家安定性に全く影響を与えないことを意味し、代わりにベースとなる安定性が一律に得られることになります。
右側にはリトアニアの対外的な政治に関するものがあります。
リトアニアは古くからの敵であるポーランドとの間で平和を求め、最終的には相互保証を得ようとするかもしれませんし、あるいはモロトフ=リッベントロップ条約の締結によってヴィリニュスがリトアニアに返還されることを保証する、ソ連相互援助条約に調印するかもしれません。
リトアニアはまた、国内の共産主義者やファシストの支持者を抑圧することが政治の中心に据えられ、最終的にはドイツであれソ連であれ、真の敵に対して自らの力を注ぐかもしれません。
ツリーの左側はアウグスティナス・ヴォルデマラスを扱っています。
ヴォルデマラスはかつてスメトナの首相でしたが、1936年にこの鉄の狼のリーダーはリトアニアの刑務所にいました。
リトアニアは、彼を追放して通常の政治的フォーカスにアクセスできるようにするか、彼を釈放してゆっくりとファシズムに転じるかを選べます。
リトアニアのツリーにおけるファシストのツリーでは、リトアニアは旧来の大リトアニアの国境を回復するために戦争のルートを進むことができます。
ドイツ軍に対抗することで、リトアニアは「Lower Lithuania」、別名ケーニヒスベルクの領有権を主張することができます。
ファシスト・リトアニアがポーランドを占領するか同盟を結ぶことに成功すれば、大きな支配者であるリトアニアと小さく従順なポーランドが国境を接するという、かつての状況を取り戻すことができるでしょう。
しかし、リトアニアは首相を任命する必要は全くありません。
スメトナには4つ目の選択肢があり、それは正当に選出されたリトアニア国王の息子ミンダウガス3世を招くことです。
先週の日記で紹介したカール・ゲロ・フォン・ウラッハの美しい肖像画がここにあります!
私たちのためにバーデン・ヴュルテンベルク州立アーカイブから参照画像を入手してくれた@Indyclone77に感謝します。
リトアニアが国王を選出することを選択した場合、プレイヤーはポーランドと同じ主張のミニゲームにアクセスできるようになりますが逆にリトアニアが上級パートナーとなる連邦を作ることができます。
ポーランドとリトアニアがともに君主制を選択する場合、両国は今後の進め方を決めることができます。
彼らは相手を拒絶して戦争に向かうかもしれませんし、連邦としてまとまり友人として付き合うかもしれません。
共通部分
固有のツリー支部にも多くの共通のフォーカスがあります。
バルト諸国は、バルト協商派の結成を選択することができ、もし彼らが民主化すれば、彼らはまたこの同盟を経済同盟へと変えることができます。
民主的なバルト諸国は、国家間の距離を縮めることに焦点を合わせることによってその地域の人々を一つの国に統合することができるかもしれません。
ポーランドと同様にバルト諸国はいずれも国外追放された小規模な亡命政府を有しており、マップ外の工場や週1回の労働力へのアクセスが認められています。
またバルト諸国は歴史的にそうであったように、ソビエトかドイツのどちらかに駐留権を与え最終的にはソビエトの占領に服従するという選択も可能です。
ソ連の占領に服従した場合、バルト諸国は共通の共産党ツリー支部に変更されます。
今週はこれで終わりです!
金曜日と土曜日にPdxCon’21を見るのを忘れないでください。
そこには興味深いHoI4関連のものがたくさんあります。
以上
振り返り感想
今週も文量が多くて記事を作るだけでヘトヘトなので感想は無しです。
画像40枚とかおかしい…。
誤字脱字等はまた時間を見つけて修正します。
またバルト諸国の歴史に関する細かい用語等には触れませんでしたが
今回翻訳した分の固有の単語等の情報はWikipediaにそれなりに詳しいものが揃っているようでした(英語)。
興味のある方はチェックしてみると、より3国の歴史理解が深まるかもしれません。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。