HoI4 開発者日記 第259回 デザイナーコーナー:和平会議 2022/5/4

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更新情報

Hearts of Iron IV 開発者日記 第259回目を紹介。

久しぶりに(まともな)開発日記が公開されました。

今回は今進めている開発作業についてのお話となります。

以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2022年5月4日分(第259回)

今回の日記担当はHoI4ゲームデザイナーのYaBoy_Bobbyさんです。

冒頭の挨拶 今後の開発日記の方針と予定

私たちは平和を得るでしょう

※この序文の箇所の担当はHoI4ゲームディレクターのArheoさんかと思われます。


皆さん、こんにちは。

前回、HoIの将来の計画についてお知らせしてからしばらく経ちましたが、そろそろ私たちが行っている作業の一部をお見せする準備が整いました。
その前にこれまでと少し異なる点があることをお伝えしておきます。
以前から申し上げているように、私たちは通常よりも少し早期の段階で機能や実装の詳細に関する議論を始めたいと思っています。
これにはいくつかの意味があります。

まず第一に個々の機能は紹介しますが、次のリリースの全容を説明する準備はまだできていません。
もちろん近い将来に公開する予定です。

第二に皆さんは私たちが取り組んできたことの早期段階を見ることになりますが、これにはデザイン、インターフェイス、ゲームプレイなどに対してWIP(管理人補足work in progressの略です)であるなど予想されるすべての警告を伴います。

そして最後に当面は毎週ではなく2週間ごとに「デザインコーナー」スタイルの日記を作成します。
これは完成に近づくにつれて変更される可能性があります。

では説明を引き継ぐ前に、本日取り上げる機能「和平会議」について簡単に説明します。
主な目標は次のとおりです。

  • 参加に適切に報いるシステムを構築する
  • 会議の範囲内で対立と紛争解決を可能にする
  • 目先の利益を確保するために全体の目的を犠牲にしなければならないかもしれない、カンファレンス内の限られた「経済」を作る
  • AIが関係するところではより「現実的な」結果を生み出す

それではここからは@Yaboi_bobbyにお譲りして、より詳細な説明をさせていただきます!

和平会議の再設計

皆さん、この数ヶ月、私たちは和平会議システムのオーバーホールに取り組んできました。
HoI4では和平会議システムがどのように機能するかについて多くの問題があることは周知の事実です。
その上、使い方を覚えるのが驚くほど難しいインタフェースであるという事実を考えると、機能に関して最も嫌われ不満を抱かれているのは間違いないでしょう。
しかし今回のリニューアルで、これまでのシステムから大きく脱却することができました。
私は和平会議の将来がどうなるかをお見せできることに興奮しています。

旧来のシステムからの最初の大きな違いは、絶対的な領土の主張から争奪可能な領土の主張へと移行したことです。
旧来のPCシステムでは誰かが国家を主張したらそれで終わりでした。
その主張は固定され誰もそれ以上関わることができなくなります。
しかし現在ではプレイヤーはカンファレンスで他のプレイヤーとのやりとりに異議を唱えることができます。
しかしこれにはコストがかかります。
領有権を争うにはポイント税がかかり、争うたびにその国家との交流の対価はさらに上昇します。
これにより特定の州に投資しているすべての関係者の間で、事実上の入札競争が発生します。
この変更は興味深い結果をもたらし、中・低レベルの参加者がより多くの主体性を持つことを可能にし、プレイヤーは実績や新しいタグの作成など自分にとって最も重要な国家を目指すために必要なツールを手に入れることができます。

ここでブラジルは、アルゼンチンがすでに主張しているチャオ・ボレアルに入札する準備をしています。

競争力のある入札はいくつかの問題を解決するのに役立ちますが、さらなる変更なしには多くの問題がまだ残っています。
最も明白な問題の1つは古いシステムがどのように順番を処理するかということでした。
従来のシステムでは参加する国を順番に並べ参加者が持っているポイントの数に基づいて順番に進められていました。
奇妙なのはリストの順番が各国の順番になった後に更新されることです。
これは多くの場合、ターンが終了したときに上位2名の参加者が十分なポイントを得ることができ、彼らはシンプルに彼らの間でターンを交換し最終的にカンファレンスを完全に制御することになることを意味します。
これは歴史的な第二次世界大戦が終わった後、二大派閥のリーダーが過半数を支配することになるのを表現するには良い方法でしたが、それ以外のほとんどすべてのケースでは悪い方法となっています。

私たちはターンの順序と一般的なターンの構成について多くのことを考えました。
私たちは徐々に、目に見える順番を持つどんなシステムにおいても、たとえそれがどのように構成されていても、順番によって人を不利にしたり有利にしたりしてしまうという結論に達しました。
そこで生まれたのが私たちが「ブラインド・ビッド」と呼んでいるシステムです。

「ブラインド・ビッド」システムの主なコンセプトは全員が同時に行動するということです。
この機能はターンごとにすべての会議参加者がポイントを使用して入札を行います。
すべてのプレイヤーが入札を完了するとすべての入札が一度に評価されます。
入札には現在の要求と同様に固定コストがありますがより多くの修正要素があります。
2人の参加者が同じ州に入札した場合、その州は争われているとマークされ、関係するプレイヤーは入札に使用したポイントの大部分が返金されます。
状態が競合するたびに後続のすべてのラウンドにおいてコストが増加します。
この効果は競争入札が発生する各ターンの状態に積み重ねられます。
一方で無競争の入札もあります。
入札が行われるたびにその入札を行った人以外のすべての参加者のコストが増加します。
これは、数ターンの間に入札が現実的に争えないほど高額になったときに入札を固定化する作用があります。

ブラジルとアルゼンチンがチャコ・ボレアルの争奪戦を解決しようとしている

この時点で「ええ、わかりました。でも1ターンごとにポイントが入ります。会議はどのように終わりますか?」と思うかもしれません。
これが最後の大きな変更点である「ポイント制限」につながります。これは説明するまでもないことでしょう。
各参加者は戦争参加スコアに基づいて会議期間中に一定量のポイントを得ることができます。
そしてそのポイントの何割かを毎ターン分配しすべてのポイントが分配されるようにします。
ここでの作業の大半は戦争参加のバランスを調整し会議のための良いポイントシーリングと考えられるものを見つけることに行き着きます。
ポイントに制限があると場合によっては敗戦国が以前よりも無傷で生き残ることになりますが、これは一般的なケースではないはずです。
一般的には、これによって楽しくてやや緊張感のある会議の体験ができると思います。

これまでに挙げた大きな3つの変更以外にも、いくつかの小さな修正や調整、相互作用と参加の全体的なコストの再調整などがあります。
ただしこのトピックはまだ非常に多くのWiP(work in progress)であるため現時点で説明をする価値はまだありません。
以上で和平会議の再設計の最初の概要をまとめます。
皆様からのフィードバック、ホットテイク、そして興奮をお待ちしております。
ではまた次回。敬礼!


以上

振り返り感想

久しぶりの本格的なHoI4開発日記でした。

まず今後は定期的な日記が再開され2週に1度のペースになるとのこと。

それからArheoさんの新責任者就任時の挨拶を読むと今後はあまり開発内容は紹介しないというふうに受け取れたのですが、どうもそうではなく、定期的に公表はしていくしまた出来上がった時にはしっかり説明もしていくみたいですね。

とにかく定期的な日記復活ということで次回にも期待です。

さて今回の日記のテーマは和平会議(平和会議)でしたが、個人的にこの会議システムはさっぱり意味不明で、最初見た時に何やってるのか全く分からず、自分は今何をやってるんだろうか…😰と混乱したので、ここに手が入るのは嬉しいです。

ただケチを付けるわけでは無いんだけど読んでて少し疑問に思ったは、
今回のシステムは良い方向になってると思うのですが、これって現実の和平会議の再現という点では今ひとつなのかなぁと思いました。

今回の変更はあくまでもゲームで不評だった仕組みをゲームとしてポイントを盛り込み、駆け引きやベットの仕組みを盛り込んで作り直したという感じで、リアルな国家間の駆け引きのようなものとは違いますよね。

それ言ったら最初からある和平会議だってポイントとかいう現実にはあり得ないの採用してるだろって事になりますが😅、どうせ作るならその辺りもテコ入れして、例えば―裏交渉で我が国のこの資源提供を当面配慮するから土地はよこせーとか、現実の駆け引きみたいなのも盛り込んでほしかったです。
それまで要求したら贅沢なのかもしれませんけど😅

とりあえず既存の和平会議が使いやすい方向に向かうだけでもありがたいので、実装時に更に洗練されていることを期待したいと思います。