Hearts of Iron IV 開発者日記 第273回目を紹介。
今回はゲームそのものの品質向上に関するお話です。
※パラドックスフォーラムでは今回の開発日記の方が第272回(仮)よりも先に投稿されたことになっていますが実際には今回の日記の方が一般ユーザー向けの公開日は新しいです。
最近のHoI4開発日記は事前に作成した記事を当日に予約投稿する形態が続いており、しかもパラドックスフォーラムの仕様なのか投稿された時間ではなく最終下書き時間が投稿時間になっているような感じです。
従いまして今回の開発日記が最新の第273回となります。
[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]
Hearts of Iron IV 開発者日記 2022年8月24日分(第273回)
冒頭の挨拶
皆さんこんにちは。
本日の開発者日記は伝書鳩の誤配により、MODに関する変更点ではなくBy Blood Alone DLCに付随するAvalancheパッチにて行われる、様々な細かい変更点と品質向上に焦点を当てることになりました。
ここで挙げるリストはすべてを網羅しているわけではありません。
この場ではより影響力の大きな変更について説明します。
更にパッチノートにはとても重要なアイテムがたくさんあることでしょう。
装甲貫通
普段からフォーラムをご覧になっている方は、私が貫通処理の公式な変更について詳しく説明していたことに気が付いたかもしれませんが、この場でより目に見える形で注意を喚起したいと思います。
Avalancheアップデートでは、貫通力対装甲の二元的な計算方法を見直し、より現実的な方法で挙動するようにしました。
また師団や機器の設計をもう少し細かくしました。
BBA(By Blood Alone DLC)以前は師団が装甲化されたターゲットに対して攻撃を行う場合、その貫通力がターゲットの装甲値より小さいとダメージが50%減少していました。BBAでは上記の閾値が適用されます。
装備の貫通値には若干の変更がありましたが、この変更がプレイヤーの習慣に与える影響を確認するまではここで大きな変更を行うことは避けたいと考えています。
もちろんバランスに関する変更は通常のパッチスケジュールで適用される予定です。
貫通は海戦でも重要な役割を果たし、私たちはそれを忘れてはいません。
海戦では貫通対装甲のメカニックは、ターゲットに対する個々の艦砲のクリティカルヒット確率(貫通ヒットのシミュレーション)に影響を与えます。
また次のしきい値を追加しました。
ここで閾値が追加されたことにお気づきでしょう。
これは極端なオーバーマッチングをシミュレートするためのもので、超重量級の砲に小さなボーナスをもたらす可能性があります(狙ったものに当たると仮定した場合ですが)。
もちろんこれらの値は変更可能で、非定型またはより緩やかな曲線を必要とする人のために新しい閾値を追加することができます。
設計の比較機能
船、戦車、および航空機デザイナーで設備を設計する際、追加のツールにアクセスできるようになりました。
この比較ウィンドウでは設計中の派生型と比較する派生型とを選択できます。
比較派生型は設計する機器タイプと同じである必要はなく、参照フレームを持つ特殊な派生型の作成を支援します。
統計比較マーカーは編集中の設計のデザインに関連して表示されます。
ここでは、ドイツ製の先行重戦車とPanzer II軽戦車を比較しています。
派生型の比較は、所有している、ライセンス供与を受けている、または鹵獲した任意のタイプの中から選択できます。
またLa Resistance DLCの所有者の場合は、対応する最も高いインテル層に一致した国の中から比較対象を選択できます。
つまりこれは、対戦相手の機器に対抗するために設計を計画するためのツールを提供するのです。
戦争支援
Avalancheアップデートでは戦争支援に大きな変更を加えています。
HoI4というゲームのライフサイクルの中で、戦争支援の重要性は国別コンテンツにおけるインフレ(私たちは全般的にこの件について積極的に取り組み始めています)と、戦争プロパガンダによる政治力の取引が容易になったため、関連性の点で徐々に急落しています。
戦争支援というものは、軍事および民間レベルで戦争努力に従事する人々の意欲と能力を抽象化することを意図しています。
そのため、次のように戦争支援には一つの重要な新しい効果を持たせました。
また戦争支援と安定度に関するツールチップを改良し、基本値に加えてイベントやフォーカスによる変化も含めるようにしました。
戦争中、戦争支援は国家安定にマイナスの影響を及ぼし、これは苦境に立たされた民間人の不満をシミュレートしています。
戦争支援は今や戦争中に気をつけなければならないものになっており、これを強調するためにさらに次のような変更が加えられています。
- 刻々と変化する戦争支援(毎週)のすべてのソースが削除されるか、フラットなボーナスに変更された。
- 戦争中に死傷者を出すことは徐々に増加する戦争支援悪化に影響を及ぼすだろう。これは今まではフォース・アタックのような能力によってのみ使用されていた悪化度に取って代わる事になる。
- 戦略爆撃による戦争支援悪化は上記と同じようにバランス調整された。
- 輸送船団を撃沈した際の戦力損失が上記と同様にバランス調整された。
上記の3つの要素は今や戦争中の戦争支援を減らす主要な原因であり、攻撃のペースを調整し、知的な方法でキャンペーンを実施するための戦略的な理由を提供します。
「無限の」戦争プロパガンダの決定は今や削除されました。
これはゲームの中・後半に戦争支援を増やすための簡単な方法であり、政治力の利用可能性と相まって、ターゲット国の戦争支持率を下げるための有意義な方法はほとんどありませんでした。
国に対する戦争プロパガンダの代わりに、戦争支援の決定は3つの主要な悪意のいずれかをターゲットにするようになりました。
これらの決定により、3つのマイナス要素それぞれの最大マイナス傾向を相殺し、徐々に最大ゼロ値まで増加させることができます。
つまり戦争支援はもはやフォーカスやイベント、独自の判断以外で恣意的に増やすことはできず、代わりに管理しなければならないものになりました。
ご存知のように、基本的で一般的な戦争プロパガンダの決定は現在も残っていますが、(戦争支持が)50%以下の場合にのみ戦争支持を高めるために使用することができます。
これについては私たちが今後も監視をし続ける重要な変更点ですが、これまでのところ私たちはその結果に満足しています。
装甲列車と兵站攻撃
NSB(No Step Back DLC)のリリース以来、私たち(そして皆さんの多くもでしょう)はロジスティクス・ストライク(兵站攻撃)の航空任務が強すぎると感じていました。
これは部分的には、州レベルのAA(対空砲)の妨害効果を適用しなかったせいであり、これは修正されました。
これに伴い装甲列車の他の問題も解決されましたが、装甲列車は他の列車に比べて大幅に軽減されてはいるものの再び兵站攻撃の被害を受けやすくなっています。
そこで現在のライブバージョンとのバランスをさらに取るため、装甲列車は対空砲を使うことを学びました。
我々は以前、AA(対空砲)では装甲列車が戦争中の大規模な航空状況に与える影響は比較的小さいため、このアプローチに反対することを決定しましたが、我々の優秀なコード製作者1名のおかげで、我々は装甲列車が兵站攻撃任務で積極的に攻撃している航空機にのみ損害を与えるという解決策に到達しました。
これは空域の詳細メニューで明確に追跡することができるようになります。
AI戦車の戦略
皆さんはAIによる装甲師団の使用がより理にかなったものになったことに気づくことでしょう。
AIは特定の前線で戦車師団を使用するよう促すことができるようになり、これをより規則的に行うための一般的な状況トリガーをいくつか追加しました。
ただし人間のプレイヤーがよくやる、挟撃包囲網に戦車を使用することにはまだ対応できていません。
これは解決するのが難しい問題ですが、将来の検討課題としてウィッシュリストに載せています。
連合軍の兵站
外交メニューから臣民国や派閥メンバーの兵站メニューを開くことができるようになりました。
これにより味方の装備状況をよりリアルタイムに把握することができ、より良いレンドリース戦略を立案することができます。
もちろんこのメニューでは通常可能なすべてのアクション(機器などの破棄)は、観察対象国に対して実行できないことは言うまでもないでしょう。
私たちはこれをインテルに基づいて利用できるようにするという考えも持っていましたが、これについては悪意ある人の手に渡ればあまりにも強力なツールであることがわかりました。
以上
振り返り感想
HoI4開発者日記 第273回でした。
ちょっと忙しいため、感想や誤字脱字の訂正等は後日行いますm(_ _)m
2022/8/25追記
誤字脱字訂正と文脈がおかしかったところを修正しました。
今回は品質改善というテーマでしたが、戦争支援の仕様変更だったり、味方の兵站をチェックできたりとけっこう重要な事も出ていましたね。
今回取り上げられた内容以外にも色々と改良されているとのことなのでAvalancheアップデートによってゲームがより遊びやすくなることに期待できそうです。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。