HoI4 開発者日記 第252回 テクニカルリーダーの生活 2021/11/3

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更新情報

Hearts of Iron IV 開発者日記 第252回目を紹介。

今回は開発陣のテクニカルリーダーがどのような生活を送っているのか?についてです。

以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2021年11月3日分(第252回)

今回の日記担当はHoI4テクニカルリーダーのMatRopertさんです。

冒頭の挨拶

みなさんこんにちは!私はみなさんがお気に入りの(そして唯一の)技術担当でありフランス人のParadox社員です。

この日記では私たちの技術について、プログラマーの仕事について、過去1年間の活動について、そして技術についての質問をする機会を提供します。

古いプラットフォームに別れを告げる

まず、次のVer1.11パッチでは開発者によるメンテナンスが行われていない、古いLinuxやMacのプラットフォームを廃止します。
つまり、次のアップデートからHoIを動かすための最小のOSバージョンは、LinuxではUbuntu 18.04、MacではmacOS 10.11 (El Capitan)となります。
しかし、これ以前のバージョンについてはHoI自体よりも古く、また私達の遠隔での測定によるとほとんどの方がとっくにアップグレードされていますので、それほど心配する必要はありません。
Windowsをお使いの方で老朽化したWindows 7を心配そうに見つめている方は、落ち着いて続けてください。
私達はサポートを終了する予定はありません(ただし、フレンドリーな技術者としてアップグレードを検討することをお勧めします😉)。

なぜそのような決定をするのか不思議に思われるかもしれません。
理由は2つあります。
1つ目は古い技術を維持するにはコストがかかりますが、それよりも99%のユーザーのためにゲームを改善することに費やしたいからです。
2つ目はプログラマーの仕事をより簡単に、より効率的にする新しい技術の採用を妨げることがあるからです。
詳細は省きますが一般的な考え方として、私たちはすべてのプラットフォームでサポートされている技術しか使用できません。
例えばLinuxの場合、以前のUbuntuは2016年にリリースされたもので、HoIはそれ以降にリリースされたものが使えませんでした(Ubuntu LTSのリリースには通常、最新の魅力的な機能は搭載されていませんので、おそらく少し前のものも使えます)。
時にはそれを回避できることもありますがいつもではありません。
新しい技術といえば…

DirectX 11

そうなんです、次のHoI4のリリースではStellarisや他の最近のParadoxスタジオのゲームと同様にDirectX 11をサポートする予定です。
今はまだDirectX 9がデフォルトですが、ランチャーの設定で別のレンダリングエンジンを選択できるようになります。

DX9とDX11(更に言えばOpenGL)の間には視覚的な違いはないはずですが、同じ体験ができるように努力しています。
ただしテクスチャやモデルを追加するModを多く使用している場合はゲームのロードが少し速くなるはずです。
また1年以上リモートで作業していて、リモートデスクトップなどで遊ぶ際の問題が少ないことにも気付きました。
これはほとんどの人にとっては大した問題ではないかもしれませんが、開発中の開発者にとっては非常に大きな問題でした。
最後に、新しい鉄道や列車のグラフィックスを微調整したり修正したりするのに役立ちました(ほとんどのグラフィックスデバッグツールはDX9のサポートを終了しています)。

パフォーマンス

私たちは当社のゲームに関してパフォーマンスが常にゲームに関するすべての議論の中心にあることを知っており、私はテクニカルリーダーとしてそれを注視してきました。
これまでのところ、私たちのリリース候補版はパフォーマンスの面で現在の1.10パッチとほぼ同等のようです。

なぜ良くならないんだ?とあなたがタイプしているのが聞こえます。
その主な理由1.11のゲームは1.10とは別物だからです(それ自体が1.0のリリース時とはかなり違います)。
すなわち供給のシミュレーションはより深く複雑になっており、世界中のすべての鉄道と同盟国が互いに供給できるようになったことを考慮する必要があります。
私がこの原稿を書いている間にも、当社の互換性ラボではより全体像を把握するために様々なハードウェア構成でゲームを実行しており、また現在Steamで見ることができるハードウェア構成はオリジナルリリース時のものであるため、最新の推奨構成についていくつかの提案をすることができるでしょう。

パフォーマンスの測定に関してBarbarossaアップデートにはゲーム内プロファイラが含まれており、マシンのパフォーマンスを測定するのに使用できます。
コンソールコマンドからマジックラインimgui show profilerを使ってプロファイラを起動することができます。

たとえば、私の自宅でCorei7-10700とRTX 2080 SUPERを使った現在のリリース候補版のパフォーマンスは次のとおりです。

1936年スタート、速度5、DX11、vsyncオフ

1943年テストセーブデータ、速度5、DX11、vsyncオフ

ご覧のように、上部の[Enable/Disable]ボタンを切り替えることで収集できる情報がいくつか表示されます。
これを使用して得られる情報のいくつかを示します:

  • レンダリング時間:最後の1秒間に1フレームをレンダリングする平均時間です。
  • 現在のフレームを除くレンダリング時間:前項と同じですが、実際にフレームを画面に表示するためにGPUで待機する時間は除外されます。通常、この違いはvsyncによるものです。
  • フレーム/秒:FPSカウントこれはご存知でしょう。
  • 1秒あたりのティック数:最後の1秒間にゲーム内でシミュレートされた時間数
  • 最後のティック:最後の1時間または新しい日/週/月をシミュレートするのにかかった時間
  • 過去24ティック平均:前項と同じですが、過去24回の平均値です(データ収集に費やした時間によって異なります)。

次に、その時間がどこで(どのシステムで)費やされたかをグラフでわかりやすく示します。これはパフォーマンスレポートを素早く確認するために使用します。
特に外部のプログラマツールが使用できない場合(開発者以外のマシンで発生する場合など)に使用します。

最後のヒント:magic consoleコマンドでプロファイラが表示されない場合は、imgui offimgui onを使用してプロファイラのオンとオフを切り替えてみてください。

個人的にイライラさせるもの

PDSのプログラマーの仕事はこれだけではありません。
私たちの多くは、デザインやバランス、コンテンツに関する洞察を提供することでゲーム開発に関わっていますが、私も例外ではありません。
ですから今はフランスの共産主義について話す時です。

La Résistance DLCでのフランスのフォーカスツリーを覚えている人は、共産主義になるとこの人が出てきます。

モーリス・ソレス(モーリス・トレーズ)は歴史的にフランス共産党(PCF)の指導者でした。
フランスのいくつかの都市を歩くと、今でも彼の名を冠した通りがあります。

しかし彼にはある特徴がありました、それは彼は筋金入りのスターリン主義者であり1964年に亡くなるまでモスクワ系の路線を追ったということです。ソ連には彼の名を冠した都市研究所があります。
モロトフ-リッベントロップ協定が調印された日、彼はアルプスに休暇中でPCFはドイツとポーランドに対する姿勢をロシア政府の指示に従って彼に尋ねることなく一夜にして変えています。
休暇から帰ってきた彼は肩をすくめてそれに従いました。

この事を考えると、”Loyalty To Moscow “のサブツリーを採用しないのに、彼をリーダーとして残すのはおかしいと思ったのです。
そこでフランスの資料を調べてみたところ、彼の代わりになるような人材を見つけました。
見てください:

ルネ・ニコッドは1939年にPCFに所属していましたが、条約締結後にPCFが再編を決定すると他の数名の議員とともにPCFを脱退し、Union Populaire Française(UPF:英語ではFrench Popular Union)を設立した。
彼らは条約を非難しポーランドに味方するという政府の決定を支持しました。
Barbarossaでは、La Résistance DLCを所有し、Anti-Fascist Coalition(反ファシスト連合)またはLoyalty(忠誠)のいずれかを選択すると、新しい党と指導者を得ることができます。

フォーカスツリーの各支部は、第一次世界大戦中に出版された彼の意見記事に触発されたニコッドに関する異なる風合いを与えます(彼はフランス軍を支持し、塹壕で手を失ったが、イデオロギー的な理由で戦争を非難し、フランスとドイツの労働者が共通の目的で団結することを望みました)。

最終的に私たちの芸術家向けにふさわしい肖像画を見つけるのは少し難しいことが分かりました。
フランス国民議会のオンラインデータベースで私が最初に調査したところ、低解像度のぼやけた画像しか得られませんでした。
しかし幸いなことに、フランスの小さな店が古い写真の在庫をebayで売ることを決め、彼が市長の時の肖像画が記事の1つになりました。
そこで終了として、広告のプレビュー画像をソースとして使うこともできましたが、もちろん購入してスウェーデンに発送してもらいました。

そんな彼がストックホルムオフィスのHOIコーナーを見守ってくれています。

それでは皆さんからの質問をお待ちしています。

PS: 数日前にModに関する変更について話しました。
@Aurelien Delayが皆さんからのフィードバックを見て、新しいキャラクターシステムへの改造に役立つ知見を提供してくれました。


以上

振り返り感想

今回は開発スタッフがどのような事をしているのかという内容でした。

気になる点があります。
それはHoI4を遊ぶ際のPCの推奨構成が変わるのではないかという事です。

文面から今後推奨構成が引き上げられることが予想されますが、それがどの程度なのか気になります。

文中に出てきた開発環境はRTX3090というモンスターグラフィックカード+CPUもそこそこという構成でしたが、Steamのハードウェア構成比を見てもそんなGPU環境で遊んでいる人は殆どいないわけでして、それでパフォーマンスのグラフ表示されてもほとんどのユーザーには参考にならないのではないかと思います。

Steamのハードウェア構成で一番普及しているGPUはGTX1060なので、そこに対してどういうパフォーマンスになるのかが気になります。
(私もGTX1060 6Gです。ほんとはだいぶ前から買い替えたいんですが、あまりにもグラフィックカードが暴騰しててなかなか買えません😥)

またCPUですがいまだにインテルCPUでパフォーマンスを測って、それを例として提示してきたのもどうなんだろうか?という気もしました。
HoI4が開発中そしてリリースからしばらくの間は確かにintelのCPUが中心だったのでそれは分かるんですが、その後はAMDのCPUが相当数普及して、時代の流れもシングルコア性能優勢の時代からマルチコア性能優勢に変化してきてますよね。

今更マルチコア(マルチスレッド)最適化対応にHoI4を作り直すことは出来ないと思うので、シングルコアの性能でパフォーマンス測定してるんだろうとは思いますが、果たしてこれが大多数のユーザーの状況にあってるのかなぁとは思いました😥

もちろんいろいろなハードウェア構成でテストはされているんでしょうけども、わざわざ例として出してきたってことは、今回の構成がテスト構成としてそれなりにメインと考えているんでしょうし。

今後の推奨構成の発表でどうなるか注目したいと思います。


管理人の体調コーナー

体調回復95%からなかなか最後が埋まって来ません😥
結局、自律神経失調症とか不定愁訴とかなんか良く分からんけどそんな感じなんでしょうね。
とりあえず、とんでもなく酷い病気じゃなかったっぽいので
それだけでも良しとしたいです😌

焦っても仕方ないので気長に良くなるのを待ちたいと思います。