HoI4 開発者日記 第292回 ノルウェーの正史ルート

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更新情報

Hearts of Iron IV 開発者日記 第292回目を紹介。

今回は新DLC、Arms Against Tyrannyに伴って改定されるノルウェーがテーマとなっています。

以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2023年6月21日分(第292回)

今回の日記担当はHoI4スタッフのCarloPDXさんです。

はじめに

時は1936年。
スウェーデンから独立して30年経ち、ノルウェーの状況はようやく上向き始めたようです。
巨大な商船は安定した富の源であり続け、貧弱な産業基盤も1930年代の困難から回復し始めています。
そしてついにヨハン・ニューゴースヴォル率いる多数派の政府が誕生し、彼は抜本的な進歩的改革を実行中で、この若い国に政治的安定をもたらすことでしょう。

今、ノルウェーの背中には追い風が吹いているように見えるかもしれません。
しかしそれはやがて来る嵐の前触れに過ぎないのです。

皆さんこんにちは!
Hearts of Iron 4のコンテンツデザイナー、Carloです。私はノルウェーのコンテンツを担当しています。
この時代のノルウェーをどのように描いているのか、皆さんに発表できることをとても嬉しく思っています。
この国は第二次世界大戦中に巨大でエキサイティングな役割を果たした魅力的な国であり、皆さんはゲーム内でこの国を守ろうとすることを大いに楽しむことでしょう。
ではさっそく始めましょう。
その前に免責事項として、以下の内容はすべてWork In Progress(開発途中)であり変更される可能性があります。

ノルウェーの政治状況

冒頭でも申し上げたように、ノルウェーの政治状況は良くなってきていますが、彼らは自国の軍隊を疲弊させており、それは予算上の理由だけではありません。
ノルウェーは中立を宣言しており、スイスは自国をできるだけ厄介なものにして征服することで戦争に巻き込まれないことを望んでいましたが、ノルウェーはそれとは逆の方法で同じ結果を得ようとしていました。
すなわち無害に見せかけ、誰も侵略など考えないように配慮していたのです。

読者の皆さんはお分かりかと思いますが、この計画は惨めに失敗しました。

彼らは自分たちをあまりにも無害化してしまったため、いざ戦争が始まると連合と枢軸の両陣営が、お互いに相手にチャンスが来る前に先手を打って侵攻する計画を立てていたのです。
そしてついに戦争が起こったとき、完全に不意を突かれてしまいました。

では、なぜ両陣営がノルウェーを相手側の手に渡らないようにしようとしたのでしょうか?
スウェーデンの開発者日記で読まれたかと思われますが、その主な理由はナルヴィクがバルト海の港が凍結されたときにスウェーデンからドイツに鉄が出荷された場所であったためです。
そして二つ目は単純にノルウェーがイギリスに対して航空作戦と海軍作戦を開始するのに非常に有利な位置にあるということです。

というわけで歴史の流れを変え、ドイツの脅威から民主的なノルウェーを守りたいのであればそれは難題となるでしょう。
ノルウェーのゲームスタート時の国民精神は以下の通りです。

現状維持に満足している内閣は、ニューゴースヴォル政権が将来的に順風満帆であることに対する過度の自信と戦争への迅速な対応に対する準備不足を表現するものとなっています。
基本的に法律を変えたり、初期配置のひどい理論家を変更したりするのが難しくなります。
なぜ彼はそんなに悪いのか?それは内閣が侵略を知ったときに起こした悪名高い誤信をゲーム内で表現するためです。
簡単に言うと、政府は部分動員を要請しました。が、バーガー・リュングベリ以外の誰も知らなかったことですが、これは徴兵命令を郵便で送ることを意味していました。
これは敵がすでに門前まで迫っていることが分かっているのに酷い手法です。
しかし彼は内閣の他の人たちにこのことを伝え、正しいのかどうかを確認する代わりに、彼はただ単に事態を先へと進め、徴兵命令を郵送するよう指示したのです。

Obsolete Armed(時代遅れの軍隊)のフォーカスは当時のノルウェー軍の残念な状態、特に要塞を代表する旧式軍隊を表現します。
それをゲーム内で表現し国の要塞を通常よりも悪化させるため、2つの新しい補正を追加しました。
心配しないでください、この国民精神は後で取り除くことができます。

The Hard Thirts(辛い30年代)のフォーカスは国が大恐慌というスターターパックの状態を抜け出しつつあることを示しており、建設が遅くなるほか、消費財の使用が増えます。

Anti-communist Sentiment(反共感情)のフォーカスがファシズムを増大させる理由は、ノルウェー国内に共産主義者やファシストの大規模な存在がなかったためですが、共産主義に対する恐怖というのはファシストが勧誘に使用した1つの手段でした。

ノルウェーのフォーカスツリー:政治部門

これらは開始時の国民精神にすぎませんが、フォーカスツリーを使用する事で、それらのいくつかを削除したり、新しいものを追加したりすることができます。
以下はノルウェーの正史ルートにおける政治部門です。

ご覧のように、スタート時のフォーカスのほとんどは、軍備増強は無視して、民需産業の育成と政治状況の改善に向けられています。

実際、ノルウェーを適切に発展させたいのであれば、Broken Gun Policies(壊れた銃に関する政策)のフォーカスを取得する必要があります。
その結果軍事的なフォーカスのほとんどから締め出されることになりますが、Historical Norway(歴史的ノルウェー)の中央決定システムにアクセスすることができます。

これはそれぞれの州を個別に発展させることで、その州の軍事的な準備を犠牲にしてでも、民間の利益を得ることができるという考え方です。
最大3回まで州を発展させることができ、それにより民間の利益が増加し、反面、軍に対するペナルティが厳しくなります。
前述したように戦前のノルウェーは軍備よりも民間開発に重点を置いていました。
それなのに、すぐに軍備を増強し始めたら歴史的なルートにならないでしょう?

ご安心を。ただし戦争が始まれば、この州開発を軍事的利益に活用して、ファシストの攻撃から適切に守ることができます。
開発と政治力を犠牲にするだけでなく輸送船団も使います:結局のところ、ノルウェーは世界最大級の商船を保有していたため、これを削減することは軍事力への移行するための経済的コストを意味します。

州の発展を軍事的効果に変換すると、州の発展レベルを1つ下げることで発展レベルに応じて異なる恩恵を得ることになります。

  • レベル1:その州の防衛力が向上する動的な補正を獲得
  • レベル2:その州に無償の軍需工場を獲得
  • レベル3:市民軍2個師団と、征服されたときにその州で起こるレジスタンス用の動的な補正を獲得

つまりドイツとの戦いを望むなら、どの州をどのレベルまで発展させるかが非常に重要になるということです。

ではフォーカスツリーに戻りましょう。

今…、あなたは脇にあるFascist Invasion of Norway(ファシストのノルウェー侵攻)のフォーカスは一体何?と疑問に思っているかもしれません。
ですが今この段階では何もありませせん、気にしないでください…。

先だって言いましたが、そこでは重要なことは何ら起きていません。
ということで、今はこの犬のフォーカスを見ましょう。

これはPreparing the Return to Norway(ノルウェーへの帰還準備)のフォーカスで、ノルウェー自由軍のマスコットであるセントバーナードのバムセが登場します。
彼はNoHMS(ノルウェー海軍)の掃海艇Thorodd(スロッド)の乗組員で、喧嘩を仲裁し、溺れている人や刺されそうになっている人を助けました。正真正銘、公認のいい子です。フォーカスは…

分かりました、分かりましたよ。あなたの勝ちです…。

…避けられない事態が発生し、ドイツがノルウェー侵攻を決定した場合、(侵略される以外に)2つのことが起こります。
最初にフォーカスが完了すると、ヴィドクン・クヴィスリングによる歴史的なクーデターに関するイベントが表示され、3つの選択肢が表示されます。

  • 運を試す:運を試してみる。自分の準備を信頼していれば、ドイツとノルウェーにいる邪悪な双子を相手に戦うのはそれほど難しいことではないはずです。
  • クーデターを遅らせる:オスロの開発レベルに応じてコストを削減できます。
    降伏進行度が50%を超えると、それ以上遅らせることなくクーデターが起こります。そしてあるいは…
  • 臆病者の道を選ぶ:これまでのすべてを裏切ってファシストの側で戦うこともできます。おめでとう!君こそがクヴィスリングだ!

冗談はさておき、これは私達が最善の事を行っているときによくあることなのです。
例えばあなたが鉄人モードでキャンペーンを行っていて、トースター工場の建設や海軍の再編に気を取られていると、突然、これから起こることに全く準備ができていないことに気が付きます。
1940年にノルウェー政府に起こったことであれば、あなた方にも起こりうることです。
これにより亡命せずにキャンペーンを救済・継続することができますし、亡命を希望する場合はそのための小さなフォーカスツリーのサブ分岐も用意されています。
ノルウェーには史実民主主義と史実ファシストの両方のフォーカス分岐が用意されています。

ノルウェーのフォーカスツリー:史実ファシストルート

首都オスロで騒動が起こったので、史実ファシストの分岐を見ていきましょう。

私は詳しくは仮想歴史ルートの開発日記のために取っておきたいのですが、この前にはファシズムのフォーカスがあり、それらはあなたがファシスト内戦の基礎を築くことを可能にし、そこではあなたはより良い準備ができ、潜在的にオスロフィヨルドだけでなく多くの州を支配することができるでしょう。

最初からファシストになったり、クーデターを遅らせたりするのであれば、この7日間の方針をいつでも完了させ、ファシストとしてプレイを開始することができます(陣営を切り替えれば自動完了します)。
またNational Spirit Contested Leadership(国民精神論争指導部)を加えています。
これは、クヴィスリングはヒトラーや他の内部のナチス党員に好かれていたにもかかわらずノルウェーの統治者になるつもりはなく、一時的なつなぎ役でしかない熱狂的なファシストであったことを表現しています。

しかしそれは問題ではありません。
なぜならすぐにクヴィスリングを権力の座にとどめて仮想歴史ルートを続けるか、あるいは彼を解任してドイツ帝国の国家弁務官、ヨーゼフ・テアボーフェンを後継者にして正史ルートを歩み続けるかの選択を迫られるからです。

両者の違いは、クヴィスリングのルートはより独立的な傾向にありますが、テアボーフェンのルートのような産業と軍事の協力が欠けていることにあります。
ただし後ほど彼を連れ戻すチャンスはもう1度あり、それは歴史的にも起こったことでもあります。
しかしクヴィスリングのライバルであるヨナス・リーを権力の座に就ければ、ノルウェーをドイツに近づけることができます。
というのも、クヴィスリングはドイツ帝国を模倣したいもののドイツの傀儡にはなりたくなかったのに対し、ヨナス・リーは当時「ドイツの男」と呼ばれ、ドイツ帝国の傀儡に甘んじていたかもしれないからです。

しかしここで誰もが、なぜ独立したファシスト・ノルウェーのルートを歩まないのか疑問に思うかもしれません。
その答えは、クヴィスリングにはひどい補正値があるからです。

そして彼は更に悪化します。

更にもっと悪くなります。

それでもいくつかの部隊とヴァイキングの請求権が手に入ります!

ノルウェーのフォーカスツリー:共通部

これら2つの分岐の他に、すべてのイデオロギーも共通の分岐にアクセスし、産業を構築し、軍隊を向上させることができます。
いくつか軽い重複がありますが、一般的には次のように分かれています。
再軍備ツリー:一般的な陸軍と産業に焦点を当てたツリー、独立ノルウェーツリー:民間の産業とテクノロジーを重視、空軍ツリー:空飛ぶすべてのものにボーナスを与えます、そして最後に海軍ツリー:笑えるほど長い海岸線を防衛しようとするあなたの努力を支援します。

ここで注意しなければならないのは、もしあなたが歴史ルートかつ民主主義をプレイしているのであれば、あなたはある時点でBroken Gun(壊れた銃)の国民精神を持っていることになり、これにより独立・ノルウェー分岐のもの以外のすべてのフォーカスから遮断されてしまいます。
ですからもしそうなれば、あなたは他の方針にたどり着くために少し時間がかかるかもしれません。

ノルウェーの戦車 Rikstanken

さてここで少し余談に入ります。
ノルウェー初の、そして(この時代内では)唯一の戦車の話題です。

1937年、ノルウェー政府は装甲戦を考え始め、戦車で戦う準備をし、また戦車に対抗する必要があることに気づきます。
しばらく考えた後、スウェーデンのランズヴェルグ社に戦車の購入を打診しました。
問題は彼らの戦車が高価であり、予算をはるかに超えていることに気づきます。
したがってL-120軽戦車のシャシーを注文しただけで、装甲も砲塔もありませんでした。ハンバーガーではなくフライドポテトとソーダだけを注文するのが好きなようです。
最終的にシャシーが到着した後、装甲としての金属板と重機関銃用の穴の開いた円筒形の「タレット」を取り付けました。
人々はノルウェー唯一の戦車にRikstanken(レルムの戦車)、Kongstanken(王の戦車)という愛称をつけました。
ノルウェー語の「タンク」が「思考」を意味する言葉であることを知るとこの話全体がさらに面白くなり、Rikstankenはすなわちノルウェー自身の考えの暗喩となるのです。

比較のためにLandsverk L-120 は次のようになります。

そしてこれがRikstankenの姿です。

かなり写真写りが悪いのでご自身で調べていただくことをお勧めします。
本当に素晴らしく悪い戦車で、国が侵略されていた時にも使わなかったほどでした。
それでもいいんです、私たちはあなたのありのままを愛しています、Rikstanken。

もちろんコンテンツがなければわざわざこんな話はしません。
Rikstankenのフォーカスを完了することで、スウェーデンから戦車を1台購入できる連鎖イベントが始まります。
あるいは荒唐無稽な非歴史的なことをしたいのであれば、もう少しお金をかけてスウェーデンやソ連から戦車を大量に買うこともできます。
また戦車の束と引き換えにドイツやソ連から政治的影響を受けることもできるし、ゼロから自分の戦車を開発するための技術交流を始めることもできます。

その戦車を手に入れたらなら、栄光の3Dモデルをすべて楽しむことができるようになります。

ノルウェーの州

もちろんこの美しき戦車は王国全土11州を巡回できます。

  • オスロフィヨルド
  • テレマルク
  • オップラン
  • アグデル
  • ヴェストラン
  • トロンデラーグ
  • ヘルゲラン
  • ヌールラン
  • トロムス
  • フィンマルク
  • そしてボートを持っているんならヤン・マイエン島

おわりに

以上をもってこの開発者日記を締めくくります。お気軽にご質問ください。
今すぐArms Against Tyrannyをウィッシュリストに入れ、デンマークの史実ルートの内容すべてが分かる続報を楽しみにしていてください。
ドイツが侵攻するのにかかった時間よりも読むのに時間がかかるかもしれませんが、きっと面白い読み物になることでしょう!


以上

振り返り感想

HoI4開発者日記 第292回でした。

今回も大変なボリュームで紹介が遅くなってしまいましたm(_ _)m

さて、ノルウェーの正史ルートを紹介ということですが、今回の内容を読むとフォーカスツリーの細かいところまではいちいち説明せず、大まかな民主主義orファシストの流れの把握という感じでしたね。

内容を読むと新DLCのArms Against Tyrannyが導入されたからと言って、ノルウェーでガンガン進めて世界制覇!というわけではなく、これまで同様確実に防衛しながらチャンスを伺うという展開になりそうです。

次回の日記はおそらくデンマークの正史ルートだと思われます。
なるべく早めに紹介できるように努めたいとは思いますがどうなるでしょうか…。