HoI4 開発者日記 第229回 ポーランドのフォーカスツリー再設計 その2 2021/4/21

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更新情報

Hearts of Iron IV 開発者日記 第229回目を紹介。

前回に引き続き、再設計されたポーランドのフォーカスツリー(国家方針ツリー)を紹介する内容となっています。

https://forum.paradoxplaza.com/forum/threads/hoi4-dev-diary-poland-focus-tree-rework-part-2-2.1468818/

前回は無料コンテンツの分でしたが、今回は有料DLC(詳細は現時点で未発表)によってポーランドにもたらされる内容となっています。

以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2021年4月21日分(第229回)

今回の日記担当はHoI4 コンテンツデザイナーのMeka66さんです。

冒頭の挨拶

みなさんこんにちは。
ポーランドの開発社日記の祭典にようこそ!
今週は、1.11バルバロッサでポーランドにもたらされる変更と未発表のDLCについて引き続き取り上げます。

今日はDLCのコンテンツについて説明します。

農民のストライキ

先週、皆さんが予想していた通り「農民のストライキ」をプレイすることができます。
民主主義の回復や共産主義革命を目指すポーランドでは、まず無秩序な農民の群れから組織化された農民民兵を作る必要があります。

ストライキに参加するのがどれだけ多くの州であろうと少数の州であろうと、レジスタンスな州は民主主義者と社会主義者の間で微妙なバランスを取ることになります。
革命への最初のステップは、農民の大義を取り上げるためにモルジュ戦線を揺さぶることです。
モルジュはシコルスキを含む少数のポーランドの将軍によって支持された政党の同盟です。

この最初のブロックで行う各フォーカスは、共産主義または民主主義のいずれかに5つのサポートを追加し、一方が他方を支配し政府を支配するためには合計50%以上が必要となります。

スペイン内戦と同様に農民ストライキはタイトなスケジュールで行われ、革命が起こるまで最大1年かかります。
ポーランドは最初にストライキに農業州を加えることができますが、ストライキの対象を工場労働者にまで広げることでポーランドの産業の中心地にある州も革命に参加させることができるようになります。

国民の支持を求めるとともに軍事的な支持をも得ることがこの運動には不可欠です。
意思決定を利用することで特定の元帥や将軍があなたの大義に影響を受け、「Peasant Sympathiser(農民の同情者)」特性を獲得し、戦争が始まるときに彼らがあなたの陣営に参加することを確実にします。

ポーランドは社会主義政治家スタニスワフ・ミコワイチクを国の指導者として出発しますが、ヴィンツェンティ・ウィトスの復帰を望む人々はイベントを通じて彼を指導者に戻すことができることでしょう。

内戦に勝利するとポーランドは脆弱な状態に陥ります。
内戦後の人員や資源の回復はポーランドを不安定な立場に置くことになるので、ある程度の譲歩や外国からの援助の働きかけが必要になるかもしれません。

共産主義ポーランドは思い切って反スターリン主義の候補者を議長に選ぶか、ソ連と同盟関係にあるヴワディスワフ・ゴムウカを選ぶかの2つの選択肢があります。
ソ連と同盟関係を結ぶことは東ポーランドを割譲するという代償を伴いますが、ソ連に対処するためのいくつかのフォーカスが解放されます。

民主化によって、ポーランドはフランスとの関係をより緊密にするというモルジュ戦線の野心を利用し、ポーランド主導の小協商であるMorges Pactを創設するかもしれません。
このルートを進むことで、先週お話ししたBetween the Seasのツリー枝部にポーランドからアクセスできるようになります。

反ソ連共産主義者は資本主義とファシズムの両方を非難しポーランド人民共和国を外交的に孤立させることになりますが、世界の帝国に対する新しい拡張オプションと軍事ボーナスを可能にするでしょう。
そうすることで彼らは主要国に対する強力な攻撃・防御ボーナスを獲得するでしょう。

民主主義者も反ソビエト共産主義者も、社会主義の普及よりもファシズムの壊滅を大義名分として掲げ、大英帝国と手を組むことができるようになります。
そうすることでポーランドは植民地主義への関心を新たにし、連合国から植民地を購入しようとします。
海事・植民地同盟を公式に承認することで、ポーランドはマダガスカルやパレスチナなどを購入することができます。
買収が成功すれば、ポーランドは本国での戦線が失敗した場合に備えて亡命先で軍備を整える場所を確保することができます。

どのオプションを選んでもバルト諸国との同盟を獲得したり構築したりすることで、新しい種類の連邦、社会主義共和国連邦を作ることができます。

王位継承

次の枝部に移ると摂生評議会があります。
つまりポーランドが君主制を「回復」しようとしているのです。
11月5日制定法は列強がポーランド王国をロシア帝国の占領地域から解放すると約束したものでしたが、新たに結成されたポーランド王国議会は、ユゼフ・ピウススキが第二ポーランド共和国を宣言するまでポーランド王国の国王を戴くことができませんでした。

摂生評議会が招集されるとポーランドはそれぞれが完全な政治的道を持つ3人の王位継承社のうちの1人を選ぶことができます。
数え切れないほどの継承者とポーランド王位の候補者がいたので私達は彼ら全員のためにゲーム内容を作ることは不可能でした。
ですので私たちは、ホーエンツォレルン家、連邦の継承者、そしてコサック王から選ぶことができます!

連邦の継承者のケースがもっともわかりやすいです。
つまりポーランドが国王候補として好んだのはフリードリッヒ・クリスチャンです。クリスチャンが選ばれたのはポーランドとザクセン家との長いつながりがあったからで、ポーランド人に支持された主張者がいれば、あなたは戦わずにリトアニアの王位を主張することができます。

決定を通じてポーランドはリトアニアの君主主義感情を上向かせることができ、それが十分に高い場合、彼らは内戦に入るか平和的に政府を引き継ぐことができます。
いずれかのケースが発生した場合、ポーランドはリトアニア王国を併合し、彼らの2つの国の産業を統合し、ソ連やドイツとの戦争の準備を開始することができます。
そう、連邦の古い国境を復元し、さらにその先を手に入れるのです!

ポーランドとルーマニアはHoIの時間枠の開始時には緊密な関係にありました。
空席となっているポーランドの王位にルーマニア国王を選出することはルーマニア政治を複雑な混乱に陥らせる可能性があります。

マイケル王がポーランドの王座に就く事で、王国は適切な状況下で団結することができるでしょう。
ポーランドの干渉によって、またはルーマニアが 「マイケル国王のクーデター」 を完了することによってルーマニアとポーランドは団結し、両軍を統合し、枢軸国とコミンテルンの強力な壁となるでしょう。

このインターマリウム国家は、バルカン半島の支配とポーランド・ハンガリーの復活を目指す場合もあれば、あるいは(コモンウェルスと同様に)連合国との同盟関係を維持することを目指す場合もあります。

最後に、最もありえそうもない王位候補者、パベル・バーモント=アバロフがいます。

武将であり、コサックであり、グルジアの王子でもあるパベルは、征服と戦争の興味深い人生を送りました。
戦間期には、パベルと彼の率いるベルモンティアンがリトアニアとラトビアに侵攻しましたが、その理由は歴史家の間でもいまだに解明されていません。
しかしバルト海支配への野心を持っていた彼は、ポーランド国家を軍事的に行動させ、バルト地方とチェコスロバキアを支配するための理想的な候補者でもあります。

バルト地方を征服すると、パベルは軍国主義のポーランド王国をドイツ軍に対抗させ、シレジアとポメラニアにおけるポーランドの権利を主張するか、あるいは国家社会主義者としてドイツ軍との同盟を求めることができるでしょう。

政治的なルート

ポーランドには多数のファシスト、ナショナリストの運動があり、その代表格がエンデチャ(国民民主主義)とファランガです。
サネーションは歴史的にこの二つのグループと取引をしてきたので、もしエンデチャかファランガのどちらかに支配権を握らせたいなら、サネーションに取って代わることができるまで協力しなければなりません。

エンデチャかファランガのどちらかが政府を引き継いだ場合、彼らは断固としてポーランドのナショナリズムとして立ち上がるか、ドイツに譲歩して同盟を模索するかのどちらかを選択することになります。

ドイツとの同盟はプレイヤーが対等な立場に置かれることはなく、かつてほど簡単ではありません。
ダンツィヒとポズナンが降伏し、ポーランドがドイツの臣下とならない限り、ドイツはポーランドとの同盟を拒否するでしょう。
しかしチェコスロバキアとは異なり、ポーランドは自分たちの足かせを破りドイツ帝国を内部から引き裂くことができます。

Pavel、Piasecki、Dmowskiのいずれかをコントロールして、ポーランドはドイツから強力なボーナスを得たり、「地下国家」と協力して現在の支配者を打倒することが可能なフォーカスの梯子が用意されています。

独立に踏み切れば、ポーランドはドイツを裏切ることができますし、忠誠を誓えば逆ヤルタ会談のような形でソ連のコアを獲得することができます。

しかし、ドイツに屈しないファランガまたはエンデチャは、ポーランドのカトリックのアイデンティティに寄り添い、ファランジストの理想を貫く派閥:ファランジスト・インターナショナルを形成することができます。

スペイン内戦が終わり、カリスト・ナショナリスト、ファランジストのいずれかが頂点に立つとポーランドは彼らを自分たちの派閥に引き入れることができるようになり、そこからファランジストが存在していた他の国、例えばメキシコ、オランダ、ラテンアメリカの多くにその派閥を拡張することができるようになります。

彼らはその国のファシズムを高めるための決定にアクセスでき、一定の割合を達成するとその国はファランジスト国際協会に招待されます。
これらのフォーカスは一度に複数の国を招待するので派閥は非常に早く大きくなる可能性があります。

ポーランドのファシストは、サネーションと同様にリトアニアと同盟するか、それとも連邦の遺産を取り戻すかを選択しなければなりませんが、賢明な選択をしなければなりません。
リトアニアと同盟しなければこのポーランドはBetween the Seasのルートを進むことができず派閥の拡大能力が著しく制限されます。

亡命政府

政治的な方向性についてはこれで終わりです。
ここでは私達がこれまであまり触れてこなかった「亡命中の政府」という機能について説明し、今回の話を締めくくりたいと思います。

フランスやオランダとは異なり、ポーランドには標準では広大な植民地帝国がなく、国が崩壊すると撤退となる可能性があるため、そうなるとポーランドは完全に同盟国の支援と善意、およびポーランド地下国家のレジスタンス戦士のネットワークに依存することになります。

亡命中のポーランド政府は、何人もの首相や大統領を経てようやく連合国が満足する結果を得ることができました。
もしポーランドが歴史的なルートを辿り、イギリスやフランスのような民主主義国家に亡命した場合、彼らはサナシオンの指導者の辞任を要求し、ポーランドは3人の新しい指導者のうちの1人を選ぶかもしれません。
彼らはそれぞれ、追放されている間に人材を得ることができるユニークな個性を持っています。

それに加え、彼らは政治顧問としてイレーナ・アンダースを迎えることで、より合法性、安定性、そして亡命者の人材を得ることができます。

亡命フォーカスツリーでは、ポーランドは地図には載っていない工場や造船所を多数獲得し、エースの生成にボーナスを与え、特殊部隊の上限を増やすことができます。
亡命中のポーランドが大規模な軍隊を編成することはありませんが、これらのボーナスにより、ポーランドは小規模ながらも特殊な部隊で戦い続けることができるでしょう。

La Resistance DLCの所有者は、スパイ能力の増強、フォーカスによるフリーエージェンシーのアップグレード、そして新たなワルシャワ蜂起作戦を含む、多くのエージェンシーボーナスを受け取ることができます。

このオペレーションを完遂すると、ゲームメカニズム上、通常よりも早くワルシャワ蜂起が起こります。
ポーランド各州の抵抗力が50%以上になると蜂起が始まりますが、この作戦は一度しか完了できないのでタイミングを見計らいましょう。
タイミングの良い蜂起はバルバロッサ作戦を試みる際にドイツ軍を粉砕し、その軍を供給不足に陥れます。

ポーランドはエニグマ・マシンの解読にも欠かせない国だったので、暗号解析のマスターマインド・アドバイザーである、マリアン・レジェフスキにもアクセスできます。

旧来のサイクロメーターとボンベのフォーカスはスパイ活動の部門へと移されましたが、領土が残っていなければ原子力研究のボーナスはポーランドにとって全く役に立たない事に気が付きました。
そこで、原子力研究のフォーカスが取り尽くされると、ポーランドは約1年間に1つの核兵器を提供するマップ外の原子炉を得ます…それについてはあまり深く考えないようにしてください。

ポーランドには興味深いif歴史のシナリオがたくさんあって、私の研究と実装の間に新しい可能性が生まれました。
ゲーム内ですべてを表現したわけではありませんが(日本とポーランドの同盟案など)、ポーランドは生き残りの方法さえ見つければ、仮想歴史シナリオの宝庫です。

今週はこれですべてです。これで2週間にわたるポーランドの祭典はおしまいです。


以上

振り返り感想

今回もものすごい分量でした。

誤字脱字修正はまた後日行いたいと思います。


2021/4/22 修正

Paradoxフォーラムの元記事で発表当初画像が1枚非表示(上から11枚目のもの)になっていたものがあったので、そちらを追記しました。

また誤字脱字を訂正しました。