HoI4 開発者日記 第265回 エチオピア #1 2022/6/29

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更新情報

2022/7/3 誤字脱字や文脈がおかしかった箇所等を訂正しました。


Hearts of Iron IV 開発者日記 第265回目を紹介。

今回はエチオピアに関する内容です。

以下、パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。

[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]

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Hearts of Iron IV 開発者日記 2022年6月29日分(第265回)

今回の日記担当はHoI4コンテンツデザイナーのWrongwraithさんです。

冒頭の挨拶

重大な免責事項ーこの開発者日記は公開される時よりも前に書かれているので、記事内のアートの大部分は開発途中のグラフィックスが多くなっています。
読む場合は、実装されるものはクールなフォーカスアイコンであり、素晴らしいものを超えた帽子を被った多くのキャラクターであることを想像する必要があります。

しかし、いくつかのクールなアートもすでに届いています!

開発途中のエチオピアの非正規軍

ということで私はエチオピアのフォーカスツリー開発関連について開発日記を書くように言われました。
そもそもエチオピアを担当しろと言われたのが私だった、というのが主な理由です。*
ですから、それ以外のものについて開発日記を作成する事はおそらく奇妙でしょう…。

とにかくエチオピアです。
エチオピアでのプレイを普通のHoIのゲームとは少し違った経験にしたいと考えました。皆さんもきっとそうではないでしょうか?
まずエチオピアは戦争状態から始まり、それがゲームデザインに一定の制約を課しています。そしてその戦争は歴史的には負けた戦争です。
1935年10月の最初の侵略の後、クリスマスの攻撃として知られるようになった戦いでイタリア軍を侵攻開始位置まで押し戻すことが出来ました。
しかし我々がHoI4でゲームシーンに入った時点ではイタリア軍は再び攻勢に出る準備をしています。
そしてこの時におい、て歴史的にはエチオピアに勝ち目はありませんでした。
しかし1942年にはギデオン部隊やアルベグノフといったエチオピアの部隊が、自国を取り戻すために連合国側と一緒に戦っていたのです。
ですので、ゲームデザインもそれらを取り入れる必要がありました。

まずはこれで前置きは十分でしょうーそれではエチオピアと、この条件使ってDLCをどのような内容にしたかを見てみましょう。

テーマ

エチオピアのデザインのテーマは2つありました。
第一に生存についてです。
前述のようにイタリアからの攻撃を受け始めます。
銃も兵力も不足しています。ですので最初は生き残る方法を見つけることに集中します。それにはいくつかの異なるオプションがあります。そのいくつかは今日説明し、いくつかは後日説明します。
第二に近代化についてです。
エチオピアは全く工業化されておらず、軍隊は多くの点でまだ半ば封建的でした;そのため他の先進国と競争しようとするなら、国と軍隊を改善するために努力を払う必要があります。

国の設定

それでは1936年のエチオピアはゲームの中ではどうなっているのでしょうか。
最初にお気づきかもしれませんがHaile Selassie(ハイレ・セラシエ)は自身に新しい特性を備えています。それはHoI史上においてもクールな名称の一つです。

そしてこの国は、ナショナルスピリット(国家精神)が集合している状態からスタートします(以前はこの面が非常に不足していました)。

しかし、その全てが完全にポジティブなわけではありません…。

マップ

マップについてまず最初に目にするのは、かつてエチオピアという一つの国家だったものがたくさんの新しい国家に分割されていることでしょう。
より面白いゲームプレイとより現実的な戦闘や補給線ができるよう、非常に大きな州のいくつかが小さな州へと分割されました。
その一方で、マップをもう少し面白くするためにいくつかの勝利ポイントを追加し、プレイヤーにより具体的な戦いの場を与えました。
このようなことを行う場合、適切なレベルを見つけるためにはゲームプレイ、他のものとの整合性、そして理想とするものとの間で、少しバランスを取る必要があります。
犠牲はつきものですが最終的にはこのような形になりました。

更にオガデン砂漠が今やこのように砂漠として分類されています。

戦争の開始

前述のようにエチオピアはイタリアと戦争を始めます。
ゲームをスタートする際に簡略化するため、すべてのユニットは以前と同じようにそれぞれの国境内からスタートします。
1935年のクリスマス攻勢において、既に基本的にイタリア軍を完全に撃退していたので、この配置は史実からもそうかけ離れた事ではありません。
したがって、私は戦争開始の状況についてはうまく表現できていると感じています(厳密にはこの時点でティグレの一部と南部の一部がイタリアによって占領されていましたが)。

問題はハイレ・セラシエは国際社会がイタリアを止めるために何かしてくれることを本当に望んでいたことです。なぜならエチオピアとイタリアの両国とも国際連盟に加盟していたからです。
私たちはこれに関し、本格的な国際連盟の機能を作ることは断念し、代わりにエチオピアのフォーカスツリーと、イタリアとエチオピアの両方に影響する小さなメカニックへと結びつけました。
(結局LoN(国際連盟)の主な活動は1936年以前ですので、これは理にかなっていると思います。)

国際連盟がイタリアに対して行動を起こさなかったのは多くの理由があり、イタリアは自国の植民地における国境紛争として自らの侵攻をごまかそうとしました。
しかしエチオピアが持ちこたえる期間が長くなり、イタリアが戦争に注力すればするほどムッソリーニが紛争を軽視することは難しくなり、国際連盟が見て見ぬふりをすることも難しくなるでしょう。

この流れをシミュレートするために戦争の両サイドに影響を与えるフォーカス、War Escalation(戦争エスカレーション)があります。

War Escalationの数値が高ければ高いほど、エチオピアに向けてより多くのフォーカスを解き放つことができ―自分の主張を弁護するために国際連盟に出向くことにした場合―さらに双方が戦争を継続する能力に影響を与える出来事を得ることになります。

その辺りの話についてはまた後ほど説明します…。

産業の近代化

フォーカスツリーの戦争と外交の部分を見る前に、近代化の見通しについて見ておく必要があるでしょう。

これがエチオピアの産業ツリー全体です。

1936年、エチオピアは大規模な産業設備を持たずにスタートします。
2つの軍需工場と2つの民需工場があり、そのうちの1つは消費財に使われ、1つは戦争に必要な武器を生産するための貿易要件を満たすため必要です。
フォーカスツリーを通じて獲得できる工場は他にもいくつかありますが、多くのフォーカスはボーナスの違いやデバフの除去などに関するものでもあります。

全てのエチオピアの州もこの修正を受けてスタートし、ここに示した首都を除く全州で-30%の修正となっています。
Develop the Capital Region(首都圏の開発)や一番右の部分にある他のフォーカスによって、最終的にこの修正を取り除くための決定がアンロックされます。
エチオピアは他の国のように多くのデザイナーや企業がある状態でスタートするのではなく、Invite Foreign Industrialists(外国人実業家の招聘)のフォーカスによって他の国の企業の分社を招聘するオプションを持っています。

また2Dアートの出来栄えも文句のつけようのないものとなっています。

これはエチオピア固有のもの、あるいはInvite Foreign Industrialists(外国人実業家の招聘)以外の方法でアンロックされたデザイナーと産業です。

軍隊はどうか?

エチオピア軍はBBA(By Blood Alone DLC)で少し刷新されました。
軍はバニラ(素の)状態よりも大きく、今では二つの主要部門で構成されています。
それは正規軍のMehal Sefari(メハル・セファリ)とエチオピアの様々な領主や地域によって調達され雇用された非正規軍です。
非正規軍は成長速度が速く特定タイプの地形においてボーナスがありますが、一般的に通常のユニットよりも弱くなります。また数に限りもあります。

エチオピアは他の国とは異なる部隊育成の仕組みを持っているため、それを代表するものとして国独自の徴兵法があります。
平時には募集可能な人口はかなり少なく戦時には自動的に増えますが、生産などにペナルティが課せられます。

エチオピアでプレイすると非正規軍を拡大するか、または他のHoI諸国によって採用されている、より正規な軍システム移行するかの選択が与えられます。

この部門のフォーカスである程度軍隊を特化させることができますし、空軍や海軍を持つことが良いことだと判断した場合にも少しは役に立ちます。

以下はその栄光の軍部の姿です。

Balance of Power(勢力均衡)システム

エチオピアはスイスやイタリアが持っているように、By Blood Alone DLCにより、国家間をつなぐ糸であるBalance of Power(勢力均衡)システムがある状態でスタートします。
エチオピアのBoP(Balance of Power)システムは、一方ではメクワニント(中央から任命された役人) 、もう一方ではメサフィント(エチオピアの世襲貴族)の力にも焦点を当てます。
どちらかの側に向かって突き進むことは、別の利益やペナルティをもたらすだけでなく、一方が他方に対して絶対的な力を持つことになれば潜在的に壊滅的な影響をもたらすことになりますが、エチオピアのBoPシステムの詳細については次回の開発者日記で詳しく説明します。

第二次エチオピア戦争のツリー部門

イタリアとエチオピアが戦争を始めると、エチオピアの戦争の進め方をカスタマイズできるよう、多くの(ほとんどが35日間)のフォーカスを得ます。
いずれかの方法で戦争が終わるとこれらはすべてブロックされます。

進むべきか留まるべきか?

ハイレ・セラシエのエチオピアとしてプレイする際にあなたが取る必要がある最初の決定は、彼がアフリカに留まりイタリア軍を撃退するのに苦労するか(つまり海外からの援助なしになり、またこのツリーの後半にある特定の個人崇拝的なフォーカス選択を行う際必要な条件となります)、あるいは列車に乗ってスイスに行き国際連盟で演説を行い、戦争のエスカレーションによってアンロックされるさまざまなフォーカスを利用するのかというものです。

もし歴史的なオプションを選び、ハイレ・セラシエが国を去るようにすれば、このツリーのサブセットにアクセスできるようになります。

このセクションは戦争エスカレーションを十分に高くした場合にあなたを助けることができるフォーカスへのアクセスを与え、また皇帝がいない間にエチオピアが降伏した場合、亡命政府で戦いを続けることを可能にするという二重の目的が果たせます。
Addressing the League of Nations(国際連盟への働きかけ)から始まる一連のフォーカスは、国際連盟がイタリアに白紙平和を求める圧力をかけていると見るInternational Mediation(国際調停)の焦点で最高潮に達します。
(ただしこれを行ってもイタリアから直接領土を得ることはできないので、戦後のツリーで後からそういった方向へとたどり着く必要があります。)
さらにInternational Brigades(国際旅団)のフォーカスは非常に便利であるだけでなく楽しみと風味豊かでもあります。
それは義勇兵を求める国際連盟メンバーに向けて約4~8人のランダムで未成熟な師団を派遣し、非常に迅速かつ非常に彩り豊かな兵と育て上げるものです。

亡命し戻る

ハイレ・セラシエがBoarding the Train(列車に乗り込む)のフォーカスを実行し、逃亡先のホスト国を見つけた後でエチオピアがイタリアに降伏した場合、歴史上そうであったように亡命先で戦闘を継続することになります。
しかし国際連盟決議により亡命ツリー部門の最後のフォーカスであるReclaiming Ethiopia(エチオピア奪還)を完了する前に彼は受入国に参戦を求めることはできませんし、受入国もまた彼に参戦を求めることはできません。

亡命政府プレイの多くでプレイヤーにとって少なくともある程度興味深いプレイ体験を提供するため、さまざまな決定をアンロックする事に焦点を当てています。
The Patriots(愛国者)やAnti-Italian Propaganda(反イタリアプロパガンダ)などのフォーカスでは、イタリアが占領している地域でレジスタンスの成長を促進したりコンプライアンスの獲得を低下させたりといった、エチオピア独自の継続的なフォーカスも新たにアンロックされます。
これはなぜならば、あなたが追放された後、イタリアがあなたを排除する唯一の方法は、あなたの国家で十分なコンプライアンスを得てその所有権を与える決定を下すことであり、最終的にアフリカ東方イタリアを作りあげ、あなたが十分に反対しないことによってあなたを完全に消し去ることができるからです。

またアブナ(エチオピア正教会テワヘド派の指導者)を雇うと、ケレロス4世にボーナスが与えられ、亡命先で非常に役立つことがお分かりいただけると思います。

亡命先国が異なればそれぞれに異なる特別なフォーカスを得ることにもなります(そのためには一定の正当性が必要です)。

これらの画像からわかるようにハイレ・セラシエをどの国に亡命させるかによって、あなたのフォーカスとキャンペーンは大きく異なります。
(最初に亡命先国に許可を求めなければならないことに注意してください。彼らがあなたと良い関係を持っていない場合は非常に困難です。)
またこれら亡命先国はどんな国だと思いますか?(画像を見ればとてもわかりやすいですね。)

戦い続ける

さてここで気になるのは、もしエチオピアが外部からの助けを拒否することを選択したらどうなるのだろうか?ということでしょう。
まず第一に、勝つことがより難しくなります。
以下に、アフリカに留まることを選択した場合の和平前の全ツリーを示します。

しかしこのツリー分岐でイタリアと和平する場合、Fait Accompli(くつがえせない事柄)のフォーカスを完了していれば、実際にイタリアから領土を獲得することができます。
このツリー支部の難しさは西側からの支援が得られないだけでなく、イタリアとの講和を得るためには最低限すべての中核州を支配する必要があることです。
しかしここでのフォーカスは陸軍司令官としてのハイレ・セラシエと、エチオピアの軍隊と将軍の両方に素晴らしいボーナスを与えてくれます。

これがハイレ・セラシエのフォーカスツリーの完全な「イタリアとの戦争」の部分です。

では戦争が終わったら次は何ですか?

このようにイタリア・エチオピア戦争が終結すると、The King of Kings(王の中の王)のツリー支部とRebuilding the Country(国家再建)ツリー支部の2つの支部が用意されます。
後者はイタリア戦争のどの支部からもアクセスできます。
しかし「王の中の王」の分岐は、外国の援助なしに戦争に勝利し、ハイレ・セラシエをエチオピアの真の支配者として確立した場合のみ利用可能です。
このツリーでは彼の支配者としての特性をアップグレードし、長い間存在しなかったアクスム帝国を復興させるための決断を下し、王国の歴史的主張の多くでコア州と戦争目標を獲得することができます。

また例えばラスタファリ運動を利用してジャマイカの領有権をイギリスに要求し、アメリカ大陸に勢力を拡大するか、ソロモン王朝の遺産を受け入れソロモン王の土地を占領者から奪還し、最終的にはそこを占領して首都を移転させるか、といったエンドゲームのオプションも選択できます。
ただしそのためには、亡命せずにイタリア軍を倒し皇帝を中心とした教団を作らなければなりません。
そうでない場合はアフリカに焦点を当てた2つの選択肢が残されています。

その他

エチオピアについて終える前にエチオピアの新しいアドバイザーを見てみてください!かなりの数のアドバイザーがいます。

そして彼

軍人

数名のスウェーデン人とアメリカ人

これらがすべてのアドバイザーではありません。
仮想歴史のツリー支部に用意されているものの中には、ここでは紹介していないものもありますが、それについては次回のエチオピアに関する開発者日記での楽しいサプライズになることでしょう。

今回の開発者日記はイタリアの日記ほど長くしたくなかったのでこれで終わりですが、数週間後にまたエチオピアの日記に戻ってきて、By Blood Aloneの機能についてより詳しく紹介し、また仮想歴史のルートも紹介する予定です。

*というのはちょっと言い過ぎでした。
この拡張でエチオピアを取り上げることが決まり、私は(比喩的な意味で)飛び跳ねて、私にやらせてください的な事を言っていました…。
それで結局Arheoらが折れて私に担当させてくれたんです🙂


以上

振り返り感想

記事作るだけで時間がかかったので、誤字脱字の修正や感想についてはまた後日書きます。

今年はまだ6月なのに早々に毎日暑くて大変ですよね。
皆様も体調管理にお気を付けください😥

正直暑くてPCでの作業も大変なので、そろそろHoI4開発者日記も毎年恒例の夏休みでしばらく中断してくれんかなと思ってます😅

2022/7/3

誤字脱字を訂正しました。
見返したら序盤からかなりあちこちひどい誤字脱字になっていて申し訳なく…😅

今回の開発者日記で私が一番強く思ったのは、

開発者日記はこのくらいの踏み込み度が一番いい

という事。

HoI4の開発者日記はある特定の国が実装されたり既存のフォーカスツリーにテコ入れが行われると、その全てを事細かく説明するという傾向が非常に強いです。

作った側からすると、自分が頑張って担当した内容を知ってほしい!語りたい!という思いがあるのかもしれませんが、これをやられると販売前から全ての内容を知ってしまっている、分岐する内容やその後どうなるかまで分かってしまっているという状態になりやすいです😥

そういうのが好きな方もいらっしゃるかもしれませんが、新しくDLC買った、実装されたコンテンツを手探りで遊びながら楽しむぞ!🙂ということはできなくなってしまうんですよね。
先日のイタリアの日記などがこの全紹介のパターンでした。

一方、今回のエチオピアはさらっと方向性だけ紹介して細かな個別のフォーカスの内容までは紹介がなく、日記自体もコンパクトで読みやすい内容となっていました。
簡潔で良かったです🙂

私はこの、最低限だけを紹介するスタイルのほうがユーザーがゲームを遊ぶ時の楽しみが削られなくて良いと思います。