Hearts of Iron IV 開発者日記 第267回目を紹介。
今回はBy Blood Aloneで内容が更新されるスイスに関する2回目の日記です。
[記事内の画像はパラドフォーラムより引用]
Hearts of Iron IV 開発者日記 2022年7月13日分(第267回)
冒頭の挨拶
時は1944年で未来(1936年スタートの場合)です。
あなたはアルプス連邦として美しい旗を持ち、遠くから銃声が聞こえてきます。あなたはフランスとの戦争の真っ只中にいるかもしれません。
あなたは正規軍で構成された大軍の舵をとり、山や平野を行進していることに気づくかもしれません。
「これは私のギサンではない、これは私の中立的で民主的なスイスではない」 と自分に言い聞かせるかもしれません。
そして、「どうしてこんなところに来たのだろう」と自問するかもしれません。
こんにちは。再び登場しましたCarloです。
今回はスイスフォーカスツリーのalt-history(仮想歴史)パスについての最新情報をお届けします。
まず少し前に戻りましょう。1936年から今に至るまでです。
すべてはフォーカス、Swiss Guiding(スイスの指針)から始まりました。
これをきっかけにしてゲームの残りの部分でバランス・オブ・パワー(勢力均衡システム)の全体的な方向性を宣言するイベントが開催されました。
スイスはカントンに権限を委譲するという彼らの政策を続けるべきでしょうか?
それとも現在の世界の状況があまりにも緊迫しており「従来どおり」ではいけないでしょうか?
どちらを選んだとしても、BoP(バランス・オブ・パワー)の方向性を妨げることはありませんが、より簡単に目的の場所に行けるようになることは確かです。
民主主義のルート
パワーバランスをカントン側に十分な時間保つことで、歴史パスのいくつかのフォーカスをクリアすることができ、民兵や募集人口にボーナスを与え、大きな民兵軍を構築することができるようになります。
仮想歴史を目指すことを考えると時間をかける価値はないのではないかと思うかもしれませんが、時間をかける事の理由は後ほどわかります。
その後Federal Police Intelligence Department(連邦警察諜報部)のフォーカスにたどり着くことができます。
これにより占領された州(もしあなたの国が占領されている場合は国も)の抵抗勢力に対処するためのボーナスを与える一連のフォーカスがアンロックされます。
さらに重要なのは軍に関するフォーカスのサブ分岐で、そこには戦争能力をさらに向上させるためのものがあります。
このサブ分岐はファシストのパスと共有されますが、ファシストにならなくても利用できます。
その後は Allied Gold、GotthardBund、そして物事が本当に分岐し始める場所であるPress for Vorarlbergのフォーカスを進めてください。
前回のスイスの開発者日記で歴史的な背景を説明するのを止めた事を覚えているでしょうか?今回の日記がその一因です。
1919年、オーストリアの地方にあるフォアアールベルク州は、スイス連邦に加盟するかどうかを決める住民投票を行い、実際にスイスとの統合に向けた投票が行われました。
しかしオーストリアもスイスもこのような事態を望んではいませんでした。
オーストリアは政府が領土を維持することを好み、スイスは第一次世界大戦を含め、すでに国民の大半がドイツ語を話しており、その割合をこれ以上広げたくなかったからです。
力を誇示し軍事力を増大させることによって民主主義を守ろうとするスイスでは、これはそれほど重要ではなく、フォアアールベルクは拡大への彼らの探求の第一歩となります。
フォーカスを進めると最後通牒がオーストリアに送られ(日が暮れればドイツにも)、フォアアールベルクを引き渡すよう要求するか、さもなければ手放すよう要求します。
もし「さもなければ」でなければおめでとうございます。
あなたがスイスの新しい州のオーナーであることを誇りに思います!
この後、あなたはもう一つの分かれ道に直面することになります。
完全な独裁主義を貫き、Preempt Anschluss(代替アンシュルス)を選択してオーストリアの残りを併合するか、あるいはもう少し民主的にThe New Eidgenossenschaft(新・誓いの同盟)の道を歩むかです。
どちらのルートもスイスの拡大を可能にします。
Preempt Anschlussのルートではすべてのアルプスをコアにすることができ、最終的には夢のアルペン帝国を作ることができます。
それだけでは不十分と感じ本当の挑戦への準備ができている場合は、もちろん民主主義と平和の名の下に、ドイツ、イタリア、フランスに戦いを持ちかけることができます。
結局のところ何世紀もの間この異常者たちは自分たち同士で争い続けてきたのですから、誰かがそれを止めなければならないのです。
もはやそれはすべてが楽しい帝国ではありません。
Vorarlbergのルート側に行くとNew Eidgenossenschaft(新・誓いの同盟)で連邦を拡張することで、より文明的な征服形態をとることができます。
連邦を拡大することで隣接する州に民主主義を浸透させ、その後に領有権を主張する決定がアンロックされます。
彼らの現在の所有者が平和的にその土地を渡すことを許可するかどうかは、あなたの軍隊の力と、あなたが彼らの他の州のいくつに影響を与えたかにかかっています。
残念ながら今回フランスはあなたがローヌに民主主義を持ち込むことにあまり熱心ではありませんでした。
そのため彼らに宣戦布告する以外に選択肢はありません。
軍事部門
先に進む前に、彼らが共有する軍事部門について簡単に話しましょう。
GotthardBundの下にあるSwitzerland on the Offense(スイスの攻勢)のフォーカスは、きっと重宝するはずです。
これはスイスが正規軍を訓練し師団テンプレートを編集することを可能にするフォーカスの一つであり、特にすべての民兵を正規軍に変えそのアップグレードもすべて可能にします。
突然、市民がフルタイムの兵士になり自分の役割を果たすようになります。
このため、完全に仮想歴史ルートを進む前に民兵を強化することは有益であり、安く部隊を訓練することができ、陸軍経験値を消費せずにアップグレードできるテンプレートであり、ほとんどの場合デメリットを伴わない大きな人材プールを備え、そして彼らは通常の歩兵になることができます。
ただしこれは他の中立国や非同盟国を自分の派閥に招き入れることができる、The Neutral Entente(中立連合)のフォーカスとは相互に排他的になっています。
この2つのフォーカスで軍隊をアップグレードし、スイスに本物の海軍を準備することも可能になります!
政治部門
Expand the Confederation(連邦の拡大)のフォーカスといくつかの必須とも言える軍事的フォーカスを完了した後、あなたはEmpower the Council(議会に力を与える)をのフォーカスを経て議会の勢力均衡システムを正面に据えカントン対議会の闘争を取り除く事で、より多くの戦争支援や政治力が与えられます。
評議会の権力が強化された今こそ、評議会議長をスイス政府の真の指導者にし、ボーナスが支給され、さらに重要なことは評議会議長が永遠にスイスの国家リーダーになります!(これらの肖像画はまだ準備ができていないため公開されません)
EidgenossenschaftでもAnschlussのツリー分岐でも、そのまま戦争を続けることはできます。
しかしスイスの現状に満足していない男がいます。それがアンリ・ギサンです。
私の知る限りでは、彼は過激な民主主義者ではなく職業軍人であり、厳格な階級制度を好む傾向があります。
しかし彼はスイスの愛国者でもあり、スイスの伝統である武装中立と独立を賞賛していました。
したがってその名称に関係なく、彼はスイス主導の帝国に決して満足しないでしょう。
そのためこのタイムラインでは彼をクーデターへと誘導することができます。
彼は軍民ともに人気があるため彼に対する抵抗は非常に限定的なものです。
もちろん彼はスイスの伝統的な価値観に忠実であると同時に、軍人でもあるので、国の指導者であり将軍として軍事ボーナスを持っており、まるで共和政ローマ時代のルキウス・クィンクティウス・キンキナトゥスのように戦いを終わらせる事でしょう。
そのような経緯を経て今いる場所にやってきました。
あとはプレイヤー次第です。他の国に対して戦争を持ち込むこともできますし、単に戦争を終えてから、スイスを中立と民主主義にするReturn to the Old Switzerland(旧スイスへの帰還)のフォーカスを重点的に完了させることもできます。これでまるで今までと同じようになります。
他の仮想歴史のパスを紹介する前に、フルのフォーカスツリーを見ておくことが重要だと思います(内容はまだ作業中であり、多くの変更が可能であることに注意してください。またご覧のように、いくつかのアイコンはまだ作業中です)。
連合国の同盟になる3つの方法
スイスの仮想歴史の道はこれだけではありません。
連合国がヨーロッパのファシスト勢力との戦争に勝利するのを助けるという選択肢もあります。
Closer Democratic Ties(より緊密な民主的同盟)のフォーカスをクリアすると、同盟国として戦争に参加する方法が3種類用意されます。
第1はJoin France(フランスへの加盟)を通じてスイスをフランスの傀儡国にし、後に第一回目のスイスの開発日記において過去の歴史として私が話していた、ナポレオン共和国の後継者である第二ヘルベティック共和国になります。
この方法の利点はAlpine Aspirations(アルペンの野望)によって、アルプス山脈の国々をコアとすることができ、戦争末期の講和会議で便利になることです。
2つ目(中央)のJoin the Allies(連合国に参加)は、その名の通りイギリスを同盟国として参加させることができます。
比較的手間のかからない参戦方法ですがこちらには追加報酬はありません。
3つ目、最後の1つはSecret Pact with the Allies(連合国との密約)のフォーカスを達成することになります。
これはツリーの別の部分から、Buero Ha(ブエロ・ハ)ツリー分岐のいくつかのフォーカスと、連合国のスパイ活動を支援するための次の3つのフォーカスを完了することで得られるものです:
Support Allied Espionage(連合国諜報活動の支援)は、スイスと秘密の同盟国(多くの場合、最大民主主義派閥のリーダー)に、諜報活動のためのボーナスを含む国民精神を時限的に与える決定をアンロックします。
Expand Spy Network(スパイネットワーク拡大)では、スイスに工作員スロットが追加されインテルネットワークの獲得量が増加します。
Share Spy Network(スパイネットワークの共有)では、秘密の同盟国にイベントを送るという決定がアンロックされ、同盟国はスイス・ドイツ、スイス・イタリア、スイス・フランスのいずれかの工作員を獲得することができますが、一番良いのはあなたもそれを獲得できることです!
それからSecret Pact with the Allies(連合国との密約)では、秘密の同盟国を支援するための決定がアンロックされ、コマンドパワー、陸軍、空軍、海軍の経験値と引き換えに、あなたの軍と民間生産量の一定割合を彼らに与えます。
その後もアンロックするものがあり、最終的にはJump into Action(急いで行動する)を完成させ、最適なタイミングで戦争に参加することができます。
これらの道はすべて、あなたが準備を行うための共有の産業と軍事部門を持っており、Weapons of Democracy(民主主義の武器)のフォーカスで終わります。
これでスイスへの民主主義的な道の全てを紹介しました!
少なくとも、楽しんで読んでいただけたなら幸いです。
ファシズムのルート
左側のルートはスイスが参戦しつつも、(少なくともしばらくは)民主主義を維持するルートだと私は考えました。
これはスイスの過去の歴史と伝統を利用して、ファシズムに対抗するためあるいは先制防衛のため、戦争に参加することを正当化しようとするものです。
この時期のスイスでもファシスト運動が行なわれていましたが、その規模は常に小さく、例えばファシスト党の下で選出された議員はロベルト・トブラー一人しかいませんでした。
この少数派は、それ自身がどこに繋がっているかが判明するとすぐに衰退していきましたし、特にドイツ連邦共和国崩壊後はそれが顕著でした。
そのため注目されるであろうフォーカス・マウンテン(ツリー)の右側部分は、スイスファシズムが政府を乗っ取ろうとしているという話ではなく、スイスが欧州でファシズムの力が高まっていると見て、しぶしぶそれに参加するように徐々に強制されているというシナリオになっています。
ファシスト側のツリーのスタートは、実際に起こった出来事に関するフォーカスが多く、結局は先に進めなかったり歴史的に否定されたりしている内容が多いです。
Purchase German Planes(ドイツ航空機の購入)、Ban the Swiss Communist Party(スイス共産党の禁止)、Withdraw from the League Of Nations(国際連盟からの脱退)、Limited Censorship of the Press(報道機関の限定的検閲)、The National Front(国民戦線)、およびThe Petition of the 200(200の請願)は、当時のスイスで実際に起こった出来事や政策、組織に基づいており、結局はスイスの民主体制を崩壊させるほどの影響はありませんでしたが、これらはファシストのパスであるためこのタイムラインでは彼らは影響を持っており、スイスに対するファシズムの支配力を強化します。
仮想歴史の民主主義ツリー分岐とは異なり、こちらはスパイ活動に重点を置くのではなく、ドイツとの親密度を高め、軍需産業を発展させることに重点を置いています。
Abandon Neutrality(中立の放棄)のフォーカスを完了した後は、2人の指導者のどちらかを選択することになります。
Robert Tobler(ロベルト・トブラー)とRolf Henne(ロルフ・ヘン)です。
二人は国民戦線のリーダーであり同じファシストでありながら、重要な点で異なっていました。
ロルフ・ヘンはドイツのナチス党に近く、スイスがドイツへ加盟することをより公然と望んでいました。
一方、ロベルト・トブラーは、スイスが独自のファシズムを持ち、政府と協力しながら、家々を焼き払う事無くゆっくりと政府を変えていくことを望んでいました。
両者はそれぞれの違いにもかかわらず、二人ともドイツ帝国から直接的/間接的に支援を受けていました。
トブラーのルートはスイスを中央集権化してナチスに加盟するまでは、ゆっくりと安定したファシズムへの移行につながるでしょう。
一方ヘンのルートを進むと、すぐにドイツの傀儡になることができますが、フォアアールベルクやオーストリア、そして運が良ければフランスやイタリアのアルプスなどの領土をドイツに要求できるという利点があります。
彼らの両方ともスイスの民兵を専門の兵士に変換する手段の一つであるProfessionalize Militias(プロフェッショナライズ民兵)のフォーカスへのアクセスを持っています。これはヨーロッパの征服に対してとても便利です。
これに加えて、Federal Police Intelligence Department(連邦警察情報部)と共有されている軍のツリー分岐があり、一方では軍を機械化し、もう一方では特殊部隊、飛行機を改善し、最終的には山岳でのボーナスをスイス落下傘兵に与えるMountaineer Paratroopers(山岳落下傘兵)が提供されます。
スイスの仮想歴史ルートで内戦がない理由
最後に開発日記の中で取り上げたい大きな要素があります。
Hearts of Ironでは政権が変わると内戦になる国が多いのが特徴となっており、それはメインディッシュの前に戦闘というスナックが食べられる、とてもクールなメカニックです。
ただスイスの場合はそうではなく、政権が変わるときは段階的でそして平和的に行われます。
主な理由は以下の通りです。
- スイスはほとんどが山地と森林であり、ゆっくりとした激しい戦争へ繋がる。
- 当時もそれ以前もスイスは要塞の建設や防衛力の強化に重点を置いていたので、多くのコンテンツは要塞の建設が中心になっている。それであるがゆえに更に泥沼の戦争になる。
- 私は領土があまりにも狭すぎてどんな種類の面白い戦争もできないと感じた。
以上が内戦による政権交代をしないと決めた理由になります。
それともう一つ、セントバーナードのブランディは良い犬ですから、ファシストのルートには残らないと思ったので、私たちはなんとか悪のタイムラインバージョンを見つけてきました。
私のフォトショップのスキルが標準に達していないことで、これがカットされるのではないかと危惧しています。
さて、意味不明になる前にこの開発者日記を終了します。
次回はエチオピアの仮想歴史に関する開発日記をお届けします!
きっとご馳走になると思います。
以上
振り返り感想
文章量はそこまで極端に多いわけではありませんでしたが、いかんせん文体がとても読みにくく、記事作成に時間がかかってしまいました。
スイスのもしも…の歴史についてでした。
日本人でスイス史に詳しい人や興味のある人がいったいどれだけいるかって言われるとなかなか難しい面もあるかもしれませんが、HoI4の良いところはいろいろな国でいろいろな歴史のifを楽しめる点にあると思います。
今回のスイスもいろいろな仮想の歴史がたどれるようなので楽しみですね。
来週はエチオピアの2回目とのこと。
夏場で暑すぎて記事作るのも一苦労なのでそろそろ開発日記も夏休みに入ってほしいですが…😥
正確を期すよう努めていますが詳細はパラドックスサイトの原文をお読みください。
※記事内画像に表記してある「WIP」とは、ワーク・イン・プログレス(開発途中)の略です(たぶん)。